韓経:【コラム】韓国経済「不動産税・負債発の複合不況」に陥るか

  • 2019年3月18日

一戸建て住宅に続き共同住宅に対する公示価格が大幅に引き上げ調整された。家計負債が危険水位を超えた状況で、公示価格の上方修正により総合不動産税、財産税など保有税が上がる場合、不動産価格がさらに下がると予想される。これでは韓国経済が不動産税と負債発の複合不況に陥るのではないかとの懸念が急浮上している。

不動産税と負債発の複合不況とは米シカゴ大学のアービング・フィッシャー教授が主張した「負債デフレ」からさらに踏み込み、高い不動産税と負債負担で国民が使える可処分所得が減り景気低迷が長期化する現象をいう。特定国がこの局面に陥ればアベノミクスのような特段の措置があってこそ抜け出すことができる。

公示価格の上方修正以降に急浮上している不動産税と負債発の複合不況の懸念が可視化するのかを調べるために家計負債状況から点検してみよう。韓国の家計負債は2種類の明確な特徴を持っている。絶対規模が危険水準である1500兆ウォンを超えて久しく、所得比の家計負債が中下位層であるほど高いという点だ。

2種類の特徴を考慮せず家計負債を減らすために金利を上げていてはむしろ金利引き上げと家計負債間の悪循環局面に陥り、政策失敗費用が大きくなる。昨年11月末の金利引き上げ以降に家計負債が増えている中で中下位層が高まる利子負担に耐えるため貸付金利が高い金融会社と私債市場に追いやられているのが端的な例だ。

不動産市場も最後の砦であるソウル・江南(カンナム)の住宅価格まで下がっている。注目されるのは住宅価格が抑制されて「フラッシュクラッシュ」が懸念されるほど急落している点だ。フラッシュクラッシュとは住宅価格のような価格変数が短期間に下落する現象をいう。江南核心地域のマンション価格は30坪台基準で昨年9月の最高値から3億~5億ウォン下がった。

「シカゴの恐怖」の懸念も急速に広がる勢いだ。シカゴの恐怖とは都市発展の原動力であり象徴だった製造業が衰退し、空き家が増え各種犯罪が急増してシカゴが「ゴーストタウン」に変貌した現象を意味する。韓国の場合、空き家が公式的には150万戸、実質的には200万戸を超えたと調査された。さらに江南地域でも空き家が増えている。

投機とバブルにさらされた住宅価格は抑制しなければならないが、ひとまず住宅価格が上がれば景気に及ぼす悪影響、すなわち逆資産効果などを考慮して「ソフトランディング」させなければならない。ケース・シラー住宅価格指数で知られる米イェール大学のロバート・シラー教授が「住宅価格対策は景気と国民生活などに及ぼす影響が大きいだけに先制性が命」と話したのもこのためだ。

逆資産効果は消費理論で常に所得仮説(ミルトン・フリードマン)と生涯周期仮説(フランコ・モディリアーニ)を根拠にしている。韓国は生涯所得で換金性が優れたマンションが占める割合が消費性向の高い中下位層であるほど高く逆資産効果が大きい。最近のように家計負債が多い状況で税金負担まで大きくなる場合には逆資産効果は予想外に大きく現れる。

グリーンスパン元米連邦準備制度理事会(FRB)議長の研究によると、米国の住宅価格変動の消費支出変化弾力性は0.1~0.15だ。だが韓国のマンション価格変動にともなう消費支出変化弾力性は0.23で、米国より2倍以上高い。韓国のように逆資産効果が大きな環境で住宅価格が急落すれば財政支出などを動員して景気を浮揚するにしてもその効果は限定的にならざるを得ない。

今後韓国経済が不動産税と負債発の複合不況に陥らないためには先行国の日本の克服事例を参照する必要がある。日本は1990年から20年以上続いた複合不況をアベノミクスで克服した。公示価格上方修正後に金利を下げるべきという見方が急浮上するのもこのためだ。

米国の学界を中心に改めてスポットを浴びている「長寿経済」も対案になり得る。長寿経済とは年上の階層が経済と消費を主導する現象をいう。韓国のように出生率急落と高齢化急進展で「ヒョウタン型人口構造」を持っている国では長寿経済を重視することが不動産税と負債発の複合不況の懸念を払拭させるのに効果的だ。

不動産市場から離脱した資金が証券市場に流入できる通路も用意しなければならない。健全な財テク手段と直接資金調達通路である証券市場が活性化してこそ不動産税と負債発の複合不況の懸念を減らすことができるためだ。取引税廃止、証券会社の貸付機能大幅拡大などの補完策が速やかに施行されなければならない。