韓経:【コラム】米環境団体代表の韓国に向けた2年前の「警告」

  • 2019年3月12日

2年前に新古里(シンゴリ)原子力発電所5・6号機の建設をめぐる公論化過程を取材した当時、「新鮮な衝撃」を受けた。米国環境団体の代表が韓国政府と公論化委員会に送った一通の手紙のためだった。韓国政府が脱原発を強行し、環境団体が次々とこれを擁護する中、この環境団体の代表は「大気汚染を減らすために原発は必要だ」という警告を韓国政府に送った。「脱原発=環境にやさしい」という等式を宗教的信念のようにしていた韓国国内の環境団体は当惑するしかなかった。

この書簡を送ったのは「環境進歩」という環境団体を率いるマイケル・シェレンバーガー氏だった。韓国環境団体の一部からは「いかがわしい環境団体では」という声も出てきた。しかしシェレンバーガー氏は2008年に米タイムズ紙が「環境の英雄」に選んだ人物だ。「再生可能エネルギーは電力生産が制限的であり、原発稼働を減らせば液化天然ガス(LNG)など化石燃料の使用を増やすしかなく、結局は大気汚染も悪化する」というのがシェレンバーガー氏の論理だった。1MWhの電力を生産する場合、石炭は微小粒子状物質を120グラム、LNGは15グラムは発生させるが、原発はゼロだ。

粒子状物質問題が日常的になってしまった最近、シェレンバーガー氏の「警告」は特に大きく近づいた。現政権が原発の稼働を減らすと、発電源のうち原発が占める比率は2016年の30.0%から昨年10-12月期には26.1%に減った。一方、石炭発電は39.6%から40.5%に、LNG発電は22.4%から26.2%に増えた。

最近、国内環境団体は「粒子状物質問題にあまりにも静かではないか」という批判を受けている。原発のために不安を感じる人より、粒子状物質の害悪に苦しむ人がさらに多いが、依然として脱原発に没頭している。

環境運動連合宗教環境会議など57団体・約200人が福島原発事故から8年を迎え、9日にソウル光化門(クァンファムン)広場で脱原発街頭デモを行ったのが代表的な例だ。これを紹介した記事には「粒子状物質問題はなぜ取り上げないのか」という書き込みが続いた。

環境運動は国民の共感が形成される時、その価値が認められる。韓国からもシェレンバーガー氏のように「違う視点」を持つ環境運動家が出てくることを期待する。