韓経:【社説】「政策の最初のボタンの掛け間違い」が大きな市場混乱を呼んでいる

  • 2019年3月6日

最低賃金急上昇の衝撃を緩和するために韓国政府が介入し零細自営業に適用するクレジットカード手数料率を強制的に引き下げた措置の後遺症は少なくない。利益急減に直面したクレジットカード会社が大型加盟店に手数料引き上げを通知し市場の混乱が広がっている。現代自動車と起亜自動車はカード会社5社に対し「一方的な引き上げ通知を受け入れることはできない」として加盟店契約の解約を決め、決済できなくなる事態まで懸念される。

自動車業界のこうした反応は予告されたものだった。現代自動車は「クレジットカード会社は低金利基調が続いたおかげで資金調達費用が大幅に低下したのに手数料率を上げるというのは話にならない」として反発している。手数料率紛争は自動車業界だけのことではない。通信、流通、航空会社なども同様の対応を検討している。これに先立ちカード会社は年間売り上げ500億ウォン以上の大型加盟店2万3000カ所に最大0.3ポイントの手数料率引き上げを通知した状態だ。零細自営業者と小商工人に対する手数料率強制引き下げで1兆4000億ウォンの収入減少要因が発生し大型加盟店を相手に補填に出たのだ。

この争いでカード会社が勝とうが大型加盟店が勝とうがその被害は最終的に消費者に転嫁されるという点がさらに大きな問題だ。加盟店がカード会社の要求を受け入れるならば次の手順は製品価格引き上げとなる可能性が大きい。手数料率引き上げが失敗に終わる場合にはカード会社に他の収益補填措置が避けられない。キャッシュバックや無利子分割払いなど各種消費者向けサービスがさらに減るのは明らかだ。

混乱の原因になった急激な最低賃金引き上げ政策は政府が目標にした「低賃金労働者の所得増加」の効果を出すのにも失敗した。急速な引き上げに耐えられなかった雇用主が最低賃金に満たない低い生産性の未熟練労働者らを大挙解雇し社会的弱者の相当数が雇用市場の外に押し出される思わぬ災難を迎えた。カード会社も手数料率強制引き下げが発動されると数千人のカード募集員を解雇する措置から断行した。最初のボタンを掛け間違えた政策の弊害はその場しのぎの対策で防ぐのではなく、再び掛け直すことが唯一の解決法だ。