韓経:【コラム】ソウル江北には軽電鉄?

  • 2019年2月22日

「1等証券会社の社長がどうしたら道峰区(トボング、ソウル北部)に住めるのですか」。ホン・ソングク前未来アセット大宇(デウ)社長が現役時代によく耳にした言葉だ。ホン氏自身も「主要上場企業CEOの中で道峰区に住んでいるのは私が唯一だ」と言うことがあった。登山マニアであるホン氏は今でも「登山8学群」である北漢山(プッカンサン)の麓の放鶴洞(パンハクトン)に住んでいる。

ソウル北部の江北(カンブク)の人々にとって最も不便なものの一つが交通渋滞だ。ホン氏は放鶴洞から証券会社が密集する汝矣島までの長い出勤時間を読書に充てたとしても、通常のサラリーマンにとってはかなりの苦役だ。出勤途中、満員地下鉄は「地獄鉄」であり、バスはそれ以上にすし詰めで、混雑した道路が自家用出退勤を難しくする。

ソウル江南北の人口はほぼ同じなのに、このように違いが大きい。教育、文化施設、便宜施設などもそうだが、交通インフラは雲泥の差だ。1969年第3漢江(ハンガン)橋〔漢南(ハンナム)大橋〕開通前はなかった江南が今は碁盤の目のように地下鉄が開通して個別の駅勢圏はない。50年間の投資財源が江南に集中した結果だ。

反面、江北は都心を除けばかなりの場所がしばらく歩くか地域バス(マウルバス)に乗るかしないと駅に行けない。水踰里(スユリ)から旧把撥(クパバル)に行くためには一旦4号線に乗って9駅を通過し、ソウル中心の忠武路(チュンムロ)駅で3号線に乗り換えてから11駅をさらに行くという遠回りを甘受しなければならない。3・4号線は開通して34年経った。

公共図書館、公園・緑地などの差も大きい。図書館1館あたりの人口数は江南3区が2万350人なのに対して、残り22区は倍近い3万9837人に達する。公共自転車の利用件数も江北が64%だが専用道路は江北(11キロメートル)よりも江南(72.7キロメートル)のほうが何倍も長い。

このような格差を意識して、ソウル市長選挙のたびに「江南北の格差解消」が常連公約に掲げられるが、これまでまともに守られたことはほぼない。一昨日、朴元淳(パク・ウォンスン)市長が清涼里(チョンニャンニ)と木洞(モクドン)をつなぐ江北横断線(25.72キロ)をはじめとする2次都市鉄道網構築計画をまた出した。江南北均衡発展と交通疎外地域解消が名分だ。

ところが各路線すべて4両以下の軽電車だ。江北住民の間からは「江南には地下鉄を四通八達連結しながら、なぜ江北は毎日軽電鉄か」という不満が出ている。市は「重電車は予想利用客が1キロメートルあたり1万人以上必要だが、江北横断線は約8000人で、工事費も軽電鉄が40%少なく済む」と説明する。経済性が低いため予備妥当性審査通過を楽観できないという言葉もある。牛耳(ウイ)新設線が10年以上かかったように、最終開通までどれくらいかかるか分からない。

江北は旧市街に加え峠や斜面道が多いためインフラの拡充が容易ではない。流動人口を呼び集める業務・商業施設も少ない。だが、大都市交通網は供給が需要を創り出す呼び水役を果たす場合も多い。江南もそのようにして発展した側面がある。江北は交通が悪いから発展できないのか、発展できないから交通が悪いのか。鶏が先か、卵が先かの問題だ。

オ・ヒョンギュ/解説委員