韓経:【コラム】韓国の自動車工場が生活基盤として残るには

  • 2019年2月21日

昨年のいまごろだった。米ゼネラルモーターズ(GM)本社が韓国政府と産業銀行に韓国GM再建のために資金を分担するよう要求した事実が報道を通じあふれ出た。韓国GM事態の序幕だった。数日後「本ゲーム」が続いた。GMは群山(クンサン)工場閉鎖計画を発表し韓国政府に交渉を提案した。自動車業界と地域社会、政界はその後3カ月間修羅場となった。産業銀行が韓国GMに8000億ウォン近い資金を投じることにしてどうにか事態を縫合する前までそうだった。

後遺症は大きかった。群山工場と協力企業などにいた1万人ほどの労働者は散り散りになった。韓国GMはまだ韓国国内販売台数が半減した状態だ。富平(プピョン)第1・第2工場と昌原(チャンウォン)工場が「シャットダウン」対象になるかも知れないという不安も鎮まらずにいる。部品メーカーは枯死直前だ。それでも労使対立は依然として現在進行形だ。

厳しかった韓国GM事態を振り返ると、アイロニカルな問題がひとつある。韓国GM労組の強硬闘争とGM本社の無責任な態度が俎上に上るたびに競合会社だったルノーサムスンが常に比較対象として取り上げられた。韓国GM労組が社長室を占拠して鉄パイプを振り回したのに対し、ルノーサムスン労組は2015~2017年に無ストを継続したおかげで自動車業界の「模範生」と呼ばれた。ルノーサムスンは労使和合を基に危機から抜け出したという「賛辞」まで受けた。

そんなルノーサムスンがわずか1年で韓国GMのようになりつつある。ルノーサムスン労組は昨年10月から基本給10万667ウォンの引き上げなどを要求してストをしている。「ストを継続すれば新車は割り当てない」という仏ルノーグループ本社の警告まで出てきたが、労組はむしろストの水準を高めている。20日にも部分ストをした。労組の強硬闘争と本社の生産縮小方針がかみ合わさり法定管理(企業回復手続き)直前まで追いやられた韓国GM事態が再演されるのではないかとの懸念が出ている理由だ。

こうした慢性的な労組リスクの「元祖」は別にある。現代(ヒョンデ)・起亜(キア)自動車だ。両社の労組は半額年俸自動車工場である「光州(クァンジュ)型雇用事業」が先月31日にスタートすると全面的な対政府闘争に入った。光州型雇用撤回に向けた「3年闘争」に出るという中長期ロードマップ(?)まで出した。現代自動車労組が今年も「旗」を掲げれば8年連続のストだ。1987年の労組設立から4回を除き32年間毎年ストを行った。営業利益が半分になった昨年も休まなかった。起亜自動車労組も同じだ。

こうした状況でも自動車メーカーは依然として労組の顔色ばかり見ている。団体協約規定により新車を生産したり工場別に生産量を調整するには労組の同意を受けなければならないほど「傾いた運動場」のためだ。韓国政府と政界も労組の習慣性ストを黙認し手をこまねいている。「労組天国」という言葉はただ出てきたのではない。

韓国の自動車産業の危機はまだ「ピーク」に達していない。韓国GMとルノーサムスンはいつ工場を止めるかも知れない状況に達した。一部投資銀行の間ではこのまま行けば5年以内に現代自動車がつぶれるかも知れないという言葉まで出ている。いまや労組が自ら変わるのは「難望」だ。自動車工場を生活の基盤としている、投票権を握る一般組合員が変えていかなければならない時だ。正確に言えば彼らが立ち上がり「政治屋」の遊び場になった労組執行部を変化させなければならない時だ。「労組の罠」から抜け出すことができなければ、生活の基盤はいつ消えるかもわからない。時間は多く残っていない。

チャン・チャンミン/産業通商資源部次長