韓経:【コラム】権力が何だって…経済の生命である統計まで操作するのか

  • 2019年2月18日

経済学は「常識(コモン・センス)」だ。だが最近になり常識を超越することがしばしば発生している。最も懸念されるのは各国の最高権力者が統計を操作するケースだ。「権力が何だって経済の生命である統計まで操作するのか」という懸念が出るほど深刻だ。

「統計汚名国」のレッテルが貼られた中国は国際社会で長く統計操作疑惑を受けてきた。習近平政権になってからは米国との貿易摩擦でもうひとつの口実になるほどに深刻だった。すべての統計を国家統計局が独占発表する上に地方政府の官僚任命時期と重なる時は水増しして発表される統計が多いためだ。

「統計科学国」である米国はトランプ大統領個人レベルの統計操作論争が起きている。就任後の自身の経済成果を誇示するために各種統計を水増しして引用してきた。2020年の大統領選挙を控えて国境の壁建設予算を確保するために歪曲された統計を掲げて危機を作り「国家非常事態宣言」の根拠資料としている。

日本も統計操作で2012年から推進してきたアベノミクスの成果が一瞬にして崩壊する危機に置かれている。安倍首相が誇った昨年の賃金上昇率は実際より水増しされ、国民に返るべき給与と保険金が削られたという事実が再算出の結果で現れた。追加負担しなければならない予算だけで1兆ウォン相当に達する。

新興国ではロシアのプーチン政権、フィリピンのドゥテルテ政権、トルコのエルドアン政権など独裁に近い国であるほど統計操作が激しい。北朝鮮と経済破綻に苦しむベネズエラのマドゥロ政権は成長率のような基礎統計すら発表しないでいる。

ほとんどの統計操作は定量的統計の「作成」段階で発生する。作成操作はそれぞれの統計当たりの細部構成項目選定と加重値設定問題に帰結される。消費者物価上昇率の場合、国民経済生活に敏感な項目を除いたり加重値を低く設定すれば実際より安定したように出てくる。金融危機以降物価が安定し操作問題は雇用統計でしばしば発生する。

アンケート調査統計は特定の目的に合致する対象だけを抽出して調査すれば「標本誤差」が発生する。標本に抽出された対象も後の影響などを考え意図と異なる意見を提示すれば「非標本誤差」が発生し結果値が大きくゆがめられる。2つの誤差が一定許容範囲を超えると統計操作に該当する。

最近になってからは統計選択と解釈など広い意味の統計操作がしばしば問題になっている。最高権力者の政治的野望などのような特定目的に合致する統計だけを選んで発表するケースだ。同じ統計といっても特定の目的に合うように解釈し反対に解釈する見方を無視したり危機助長論者へ追いやるケースも同様だ。

昨年10月以降、米国と韓国経済のように指標上では問題ないが経済主体が沈滞を懸念し市場が株価暴落など過敏に反応した状況を思い出してみよう。フレーミング効果を重視する米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は金利引き上げの速度調節の意思を明らかにし景気と市場を安定させる。だがフレームに閉じ込められている韓国の一部経済閣僚と進歩学者は「危機を助長する偽ミネルバ勢力」として無視する。

経済の生命は統計だ。現実がゆがめられた操作された統計は指標景気と体感景気間の乖離を発生させる。その結果政策当局と政策受容層の間の経済政策に対する信頼と効果を引き下げる。複雑な現実に「仮説」を立てて統計として立証し確立する経済理論も無力化される。「経済学無用論」まで提起されている。

現実がまともに反映されていない時系列資料に基づき各種モデルで導出した見通しも予測力が落ちるほかない。国際通貨基金(IMF)は企業脆弱指数(CVI)、日本銀行は貸借対照法(BS)方式などで対応しているが、「操作された統計」という根本的な問題が解決されなければ予測力を向上するのに限界がある。

韓国も統計操作から自由ではない。雇用と分配統計が気に入らないと統計庁長を交替したり経済政策効果に合致する統計だけ選んで発表する事例が目撃されているためだ。権力者であるほど統計が「権力の侍女」に転落したり「ポピュリズム化」しないよう政治的中立性と独立性を守ることに最善を尽くさなければならない。

ハン・サンチュン/客員論説委員