韓経:為替投機勢力の円攻撃…次の標的は韓国ウォン?

  • 2019年1月14日

為替投機勢力が再び猛威を振るっている。武器はこれまでよりさらに強くなった。為替投機主導勢力であるヘッジファンド設定額は過去最大規模に増えたがレバレッジ比率(証拠金比総投資金額)は「ボルカールール」規制により金融危機以前の水準を回復できなかった。だがアルゴリズムによるプログラム売買で活動がさらに自由になり、攻撃のタイミングもうまく捕らえている。

金融危機以降しばらく姿を消していた為替投機勢力が活動を再び始めたのは昨年3月に米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を上げた直後からだ。中南米の通貨安にベッティングしアルゼンチンは為替投機勢力に手を上げ国際通貨基金(IMF)に救済金融を申請した。為替投機勢力の攻撃によりレアルの価値が急落しブラジル国債に投資した韓国人も大きな損失を見た。

昨年6月のFRBの2度目の金利引き上げ以降に為替投機勢力の攻撃対象が中東と南アジア通貨に移動した。ビッグステップ金利引き上げなどで最後まで防御したが耐え切れなかったトルコとパキスタンはIMFに救済金融を申請したが、米国との関係悪化により支援されなかった。イラン、スリランカなど周辺国も同様だった。

為替投機勢力の攻撃対象がアジア通貨に移動したのは昨年夏休みシーズン以降だ。投機規模と範囲もアジア通貨危機以降で最も大きく広範囲だ。インドネシア・ルピアはアジア通貨危機以降初めて1ドル=1万5000ルピー以下に暴落した。中国人民元も1ドル=7元のライン崩壊の危機を感じるほど為替投機勢力の執拗な攻撃に苦しめられた。

中国外国為替当局の積極的な防御で人民元安ベッティングに失敗した為替投機勢力が昨年下半期米国の為替相場報告書発表を控え「日本も為替相場操作を避けることはできない」という警告が出るとすぐに円を攻撃し始めた。為替投機勢力が先進国の通貨を標的としたのは1990年代初めにジョージ・ソロスが英国ポンドを攻撃して以来のことだ。

簡単に理解できないのは米国の為替相場操作警戒発言後に日本の株価が落ちているのになぜ為替投機勢力は円安ではなく円高にベッティングしているのかという点だ。経済の実状を反映するという次元から見れば、株価が落ちたら通貨価値も下がらなくてはならない。その答はアベノミクスの実体に隠れている。

1990年代以降に日本経済が「失われた20年」を経験したことは米国バークレー大学のバリー・アイケングリーン教授が指摘した「円高の呪い」が主要因だ。特定国の景気が低迷すれば該当国の通貨価値は下がってこそ輸出が増大し景気が回復できる。だが日本は円高となり景気がさらに低迷した。

「景気の実状と通貨価値が別に動く悪循環の局面を遮断することが日本の景気を回復させる最後の方法」という米イェール大学の浜田宏一名誉教授の勧告を受け入れたのがアベノミクスだ。2012年末から安倍政権は発券力まで動員して人為的に円安を誘導、すなわち為替相場を操作して景気を浮揚させ、成果も大きかった。

最初の疑問点が解ける。米国の為替相場操作警戒でこれ以上アベノミクスが推進できない場合、景気鈍化への懸念から株価が下がり円は従来の円高に戻る可能性が高い。為替投機勢力はまさにこの点を狙ったのだ。1985年のプラザ合意以降円高にベッティングし3倍以上の為替差益を得た「ユーフォリアの回想(euphoria recall)」も加勢した。

もうひとつの疑問点ができる。日本の景気が低迷しているのに円はなぜ強いのかという点だ。安全通貨であるかどうかは景気が低迷する時に最後に頼れる、すなわち最終貸付者(last resort)の役割をだれがするかにかかっている。日本は円建て債券の96%を自国民が持っており、貯蓄率が落ちない限り国家不渡りリスクは希薄だ。

為替投機勢力が隣国である中国人民元、日本円を次々と攻撃したとすればその次の標的が韓国ウォンになる恐れがあるという考えはだれでもできる。性格も円のようにウォン切り下げを狙う可能性が高い。韓国との貿易赤字を減らすため米国のウォン引き上げ圧力が高まり1990年代の日本経済のように不況型経常収支黒字を多く抱えているためだ。

為替投機によりウォンの価値が現在より強くなり景気がさらに低迷すれば韓国経済も「ウォン高の呪い」に苦しめられる可能性が高い。韓国の経済状況に合うよう不況型経常収支黒字が是正されてこそ米国の通商圧力が減り景気低迷負担も減らせる。1990年代後半のようなウォン安に対するベッティングは外貨準備高が多ければ十分に防御できる。