韓経:【コラム】国民を税金で罰する国=韓国

  • 2019年1月10日

カナダの自由主義経済学者ピエール・ルミューは、暴力団が互いに競争を経てひとつだけ生き残り、警察も、裁判所も、軍隊も独占すればまさにそれが国だと言った。人が集まり契約を締結して国を作ったという社会契約説は虚構であり、税金はそうして形成された国が取るものだ。

成蹊大学の竹内靖雄教授は著書『正義と嫉妬の経済学』でルミューの主張をこのように紹介し、親が子どもに財産を無料で譲れないとけちをつけ高率の税金を払わせる相続税に国家暴力団の姿が明確に現れていると説明した。

事実税金とは金を稼いだ時に所得税を、金を使う時に消費税を、使って残った金には財産税をかければそれだけだ。だがこうした単純な租税制度は世界のどこにもない。暴力団の遺伝子が租税正義に常に優先するせいだ。

税金は少ないほど良い。増税は悪だ。万古不変の真理だ。だが暴力団は反対に行く。2つの理由からだ。最初に、税収は常に足りない。天然資源があふれる国でなければの話だ。2番目は政治的理由だ。腹が減った者と腹が痛い者の票を自分の方にかき集めるためだ。税金で富豪をこらしめる「懲罰的課税」は租税正義という名前で行われてきた政治行為だ。

住宅公示価格と土地公示地価が3倍まで上がった。政府が鑑定院と鑑定評価士に圧力をかけた結果だ。保有税負担が現在より2~3倍大きくなる。その上に財産税や取得税などの地方税と、相続税、贈与税、総合不動産税などの国税だけでなく、健康保険料まで相次いで上がることになった。まさに「税金爆弾」だ。

政府は市場に及ぼす衝撃を考慮し順次引き上げ幅を調整する方策を検討したという。それが正常だ。だが国土交通部は地価公示協議会に参加した鑑定評価士に「市民団体が…」という話からしたという。高い土地を持つ人たちが税金をあまり出さないと騒ぐので均衡が崩れようが一気に上げろと言ったということだ。「懲罰的引き上げ」「故意的税金爆弾」という非難があふれる理由だ。

税金で富裕層と大企業に罰を与える事例は文在寅(ムン・ジェイン)政権になってからひとつやふたつではない。法人税からしてそうだ。課税表区間に「3000億ウォン超過」を新設し、既存の最高税率より3ポイント高い25%を適用した政府だ。主要国が法人税引き下げ競争を行おうがマイウェイだ。税収増大次元からではない。甲乙論争をあおり、大企業の業績のトリクルダウン効果に対する否定的な世論を選挙に十分に活用した政府だ。

所得税もそうだ。課税標準5億ウォン超過区間を新設し最高税率を38%から40%に上げてから1年でさらに42%に上げた。勤労所得税免税者が全労働者の44%だ。税金なんて1銭も出さない人が税金を払おうともしないで富裕層増税を叫ぶ。政府は税金を払う人たちにせがむだけだ。課税表所得1億ウォンを超える5%の納税者が所得税の4分の3を負担する。納税義務は富裕層の役割だ。

相続税もまたどうなのか。50%に企業の経営権まで譲り受けようとするなら加算税がつき65%を税金として払わなければならない。断然世界トップだ。親が税金を払いながら集めた財産だ。その財産を大事にしながら子どもに譲るのにまた税金を払う。二重課税議論はその通りで、一生の努力を罰する懲罰的課税だ。主要国が相続税を廃止したり税率を大幅に下げているところに相続税を払うために会社を売らなければならない悲劇的な状況が演出される所がまさに韓国だ。直す考えはない。むしろ相続・贈与税率を60%に高める法案が国会に上がっている。

不動産も変わらない。このままなら3月に発表される共同住宅公示価格も同じことだろう。一生の努力で残ったものがたった家1軒という人が大部分だ。投機は考えたこともなく、可処分所得が生まれたのでもない。ところが税金爆弾だ。最高税率3.2%の総合不動産税に公示価格まで急騰すれば家を売らなくては税金を払う方法がない。

「総合不動産税は富裕税という表現が率直なようだ」と話した青瓦台のキム・スヒョン政策室長だ。あえて海外の事例を挙げる必要があるだろうか。富裕層に嫉妬し健全な所得を懲罰する社会が発展するわけがない。税金は広い税源、低い税率が原則だ。国民皆税には行かず、組分けする「富裕層増税」ばかり横行する。これがどうして公正社会なのか。

キム・ジョンホ/首席論説委員