韓経:【社説】国が「やるべきこと」と「やってはならないこと」を区別してこそ韓国経済が生き返る

  • 2018年12月20日

文在寅(ムン・ジェイン)大統領の経済観が明確に変わった。政権ブランドと変わらない「所得主導成長」の代わりに、経済活力と投資、革新、再跳躍などに言及することが増えた。一昨日の産業通商資源部業務報告で「産業政策がないという批判に自ら反省したい」と言及し参加した企業家が驚いたという。業務報告に企業家を同席させたことからして以前にはなかったことだ。

これだけではない。文大統領は農林畜産食品部に「農業革新を通じた未来の収益源創出」を、環境部には「環境を第4次産業革命時代の新成長動力として認識してほしい」と注文した。経済活力回復にすべての官庁が先導してほしいという要請だ。少し前にマクロ指標成果を掲げて「水がくる時に櫓を漕がなくてはならない」として議論を呼んだのとはまったく異なる姿だ。

こうした変化は産業・地域経済崩壊、雇用惨事など厳酷な現実からこれ以上目をそらすのは難しいという認識から始まったのだろう。支持率下落の中で経済失政批判は内部でも提起された。大統領直属政策企画委員会主催の討論会で建国(コングク)大学のチェ・ベグン教授は「現政権が善良な意志を持つ医師かはわからないが、能力のない医師」と非難した。所得主導成長論の擁護者だった彼は、「いまの失敗は診断が正確でないためだが、診断に対する復碁さえない」ともした。「しっかりしなければ『第2の廃族』になるだろう」という厳しい批判も付け加えた。

時すでに遅しだが韓国政府が間違って通したボタンをはめなおそうとする努力だけは歓迎に値する。しかし1年半にわたり現場の呼び掛けから目を背けてきた青瓦台(チョンワデ、大統領府)がどれだけ変わるかは疑問だ。「企業の士気高揚が嘆かわしい」という金顕哲(キム・ヒョンチョル)大統領経済補佐官に続き、わずか数日前にも金尚祖(キム・サンジョ)公正取引委員長が「士気高揚対象は財閥ではなく中小・中堅企業」と釘を刺した。だから経済界が弾力労働制拡大、遠隔診療などが実現されるまで判断を保留するというのは「合理的疑い」といえる。

政府が「言葉だけで経済活性化」を叫ぶのではないということを立証するには投資意欲を失わせる法制度から手を加えなければならない。だが行く道は遠い。「ろうそく請求書」を突きつける支持層の反発から乗り越えなくてはならない。共有経済をめぐる対立を解きほぐす能力と意志を備えているのか疑問という見方も多い。最低賃金と週52時間制は「必要ならば補完」ではなく1日が急がれる問題だ。

内外の経済状況はますます厳しくなっている。来年の韓国の成長見通しを2.4~2.6%とみる経済見通し機関が大部分だ。経済が致命的な危機に突き進まないように注意深く管理する責任が政府にある。「多くの海外投資家が韓国経済は高い格付け(AA)に見合った透明性と予測の可能性を備えているか疑問を提起している」(クォン・ジェミンS&P韓国代表)という指摘こそしっかりと受け止めなければならない。

経済活力回復の第一歩は国が「やるべきこと」と「やってはならないこと」から明確に区分するところから出発しなければならないだろう。政府が随時価格を統制し、市場介入を超えて直接「選手」として走ろうとする誤った欲求から自制しなければならないだろう。4年任期を終える中小企業中央会の朴成沢(パク・ソンテク)会長は「政府は市場干渉を減らし企業が熱心にできるよう支援しなければならない。基本に戻って補完し省察する時間が必要だ」とした。政府と政界ともに傾聴しなければならない忠告だ。