韓経:受注の崖緩和の兆しですぐ…韓国造船大手2社の労組「構造調整止め賃金上げろ」

  • 2018年12月20日

大宇(デウ)造船海洋の鄭聖立(チョン・ソンリプ)社長は先月15日に記者懇談会を開き、人材構造調整案を再検討すると明らかにした。年末までに従業員1000人ほどを減らすとしていた当初の計画を白紙化したのだ。受注拡大で業績が改善されたというのが表向きの理由だが、政界の圧力と労組の反発のため一歩後退したのではないかとの批判があふれた。

大宇造船海洋と現代(ヒョンデ)重工業の造船大手2社の労組が業況回復の兆しを機会として再び強硬闘争に乗り出している。労組が声を高めたことで構造調整を通じた造船業の競争力確保の「ゴールデンタイム」を逃しかねないという懸念が出ている。

◇税金で月給もらいスト

大宇造船海洋は大規模粉飾決算と各種不正が明らかになり2015年以降13兆7000億ウォン(約1兆3647億円)の公的資金を支援された。昨年6年ぶりに7330億ウォンの黒字転換に成功できた背景だ。だが大宇造船海洋が独自生存できるほどの自活力を備えたのかには懸念混じりの声が出ている。昨年の「瞬間的黒字」は韓国政府と債権団が2兆9000億ウォンを投じたおかげというのが造船業界の分析だ。これすらも昨年10-12月期だけを見ればウォン高などの余波で3510億ウォンの営業損失を出した。今年7-9月期の営業利益1770億ウォンは前年同期より10%近く減った。

産業銀行が大株主である大宇造船海洋が、同じ大株主を持つ現代(ヒョンデ)商船が発注した船舶を相次いで受注し「セルフ受注」議論も起きた。現代商船が9月に発注した3兆1532億ウォン規模の超大型コンテナ船20隻のうち大宇造船海洋は造船大手3社で最も多い1兆2106億ウォン相当の2万3000TEU級7隻を受注した。大宇造船海洋は昨年も現代商船が発注した4700億ウォン規模の超大型タンカー5隻を独占受注した。日本の造船業界は先月「韓国政府が公的資金を通じた新規発注で自国の造船会社を迂回支援している」として世界貿易機関(WTO)に提訴した。

大宇造船海洋労組は今年に入り船舶受注が増えると、すぐに賃金引き上げなどを要求し会社側を圧迫している。基本給4.1%引き上げと成果給支給基準策定を要求している。6月には組合員投票を通じ金属労組に加入した。これまで全国民主労働組合総連盟(民主労総)所属の個別労組だった同社の労組が民主労総の産単組織の金属労組と組んで会社側に対する圧力レベル引き上げに出たとの観測が出てきた。

10月に開かれた労組委員長選挙では社内の労働運動勢力のうち強硬派に分類される「現場中心民主労働者闘争委」出身のシン・サンギ候補が当選した。消えていた「ゴライアスクレーンデモ」が再登場したのもこうした労組の強硬化の動きと無関係ではないと説明される。

◇ベルト緩めて鉢巻き締める労組

現代重工業は2016年に59億ドル、2017年に99億ドルと「受注の崖」の影響で、今年に入り7-9月期までで2700億ウォンの営業赤字を出した。10-12月期も600億ウォンほどの赤字が予想される。2015年まで20兆ウォンを上回っていた現代重工業の売り上げは昨年10兆1058億ウォンと半減した。この会社は液化天然ガス(LNG)運搬船の受注が増え今年造船部門の受注目標額132億ドルの達成には成功した。だが受注した船舶建造が本格的に始まる2020年まではベルトをきつく締めなければならない状況だ。一般的に受注から建造まで1年以上かかるというのが業界の説明だ。

現代重工業の賈三鉉(カ・サムヒョン)社長は11日に開かれた証券会社アナリスト懇談会で、「今年の受注実績が本格的に反映される2020年から業績が回復するだろう」と話した。

回復傾向を見せている造船と違い、海洋プラント(原油・ガスボーリング設備)部門は依然として受注不足に苦しんでいる。現代重工業は2014年11月にアラブ首長国連邦のナスル海洋プラント以降追加受注が途絶え、8月末から海洋工場の稼動を中断した。10月に4年ぶりに5000億ウォン規模の半潜水式原油生産設備(FPS)の受注に成功したが、来年下半期になって建造に入る。会社側は海洋部門の遊休人材1200人に対し平均賃金の40%を支給する有給休職を推進したが、蔚山(ウルサン)地方労働委員会がこれを承認せず失敗に終わった。

こうした渦中に現代重工業労組は基本給7万3373ウォンの引き上げ(号俸昇級分別途)を要求している。造船業況好況期である2008年の号俸昇級分を含めた基本給引き上げ分が9万8800ウォンだったことを考慮すると過度に高い水準というのが会社側の主張だ。労組は下請け業者の労働者にも正規職のように子どもの学資金と成果給を支給してほしいと要求した。会社側は経営正常化まで海洋プラント事業本部の無給休職者を除いた他の従業員は基本給を20%ずつ返納しようと対抗している。

現代重工業労組は賃金交渉で会社側と意見の溝が埋まらないため政界と組んで労働条件と関係のない支配構造改編とグループ持ち株会社(現代重工業ホールディングス)の配当拡大まで問題視し会社側を圧迫している。17日に国会で正義党の秋恵仙(チュ・ヘソン)議員、民衆党の金鍾勲(キム・ジョンフン)議員らとともに「現代重工業ホールディングスのオーナー一家に対する高額配当撤回要求記者会見」を開いたりもした。

現代重工業関係者は「配当拡大は株主親和経営次元から8月に現代三湖(サムホ)重工業(投資会社)と現代重工業合併当時に発表した内容。労組が賃金交渉を有利に導くため労働条件と関係のない無理な要求をしている」と指摘した。