韓経:物量攻勢で液晶パネル市場に食い込んだ中国…中小型有機ELでも韓国の脅威に

  • 2018年12月13日

中国のディスプレー業界が有機ELパネルに対する投資を積極的に増やしている。来年にはこれら企業が投資したスマートフォン用有機EL工場で本格的に製品が量産される。大規模物量攻勢で液晶パネル市場で勢力を拡大した中国企業が中小型有機EL市場でも本格的な脅威になるかも知れないとの指摘が出ている。

◇中国、中小型有機ELに積極的投資

中国メディアの12日の報道によると、中国最大のパネルメーカーであるBOEはこのほど重慶で3番目のフレキシブル有機EL工場「B12」の起工式を開いた。総額465億元(約7652億円)を投資し、スマートフォン、ノートパソコン、自動車などに使われる第6世代フレキシブル有機ELを生産する計画だ。量産目標は2021年だ。

業界では予想を上回る果敢な投資という評価が出ている。成都に作った最初の工場「B7」の歩留まりが安定しておらず、綿陽にある2番目の工場「B11」はまだ量産も始めていない状況で3番目の工場建設を決めたためだ。工場3カ所の月産規模はそれぞれ4万8000枚だ。計画通りであればBOEのフレキシブル有機EL生産能力は14万4000枚に増えることになる。フレキシブル有機EL市場の95%を占めているサムスンディスプレーに次いで2番目に多い規模だ。サムスンディスプレーは月産13万5000枚のA3工場と量産を準備中の月産3万枚のA4工場を合わせ16万5000枚規模の生産能力を備えている。

中国企業がサムスンやLG出身の韓国人研究員を大挙引き抜いて技術格差も急速に縮小している。技術流出水準も深刻だ。最近ではディスプレー装備メーカーのトップテックを通じサムスンディスプレーの曲がる有機EL技術がBOEなど中国企業にまるごと流出したりもした。

中国企業が大挙フレキシブル有機EL市場に参入し、供給過剰の懸念も出ている。サムスンディスプレーが事実上独占している市場にBOEだけでなくLGディスプレー、ビジョンオックス、CSOT、エバーディスプレー、シャープ、JOLEDなどがすでに参入していたり参入する予定だ。元大証券のチェ・ヨンサン研究員は、「今年大型液晶パネルを通じてLGディスプレーに一発食らわせたBOEが来年からサムスンディスプレーの市場まで狙うことになった」と話した。

フレキシブル有機ELを採択するスマートフォンメーカーが多くないことも供給過剰の懸念をもたらす要因だ。フレキシブル有機ELの大口納入先のアップルも今年有機ELを採択したiPhoneモデルを増やしたが高価格のため販売台数は大きく増えなかった。

◇技術格差広げにくい韓国

韓国のディスプレー業界は中国企業との技術格差を広げなければならないという課題を抱えることになった。問題は多社が行かない道を先導するのは考えほど容易ではないという点だ。今年初めにサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長はサムスンディスプレーの事業所を訪問し、量子ドットカラーフィルター基盤の大型有機EL事業を検討するよう「特命」を下した。量子ドット有機ELは色再現性を高め原価まで低くできる新技術だ。スマートフォン市場の成長が鈍化する状況でプレミアムテレビ市場を攻略するためには大型有機ELパネルに対する投資が必須というのがサムスンの判断だ。サムスンディスプレーは現在大型有機ELを作っていない。李副会長は今週サムスンディスプレー事業所を訪問し、量子ドット有機ELパネルの技術開発進捗度と投資方向に関する報告を受けるという。

技術開発は容易ではない状況だ。日本のディスプレーメーカーであるキヤノントッキと量子ドット有機ELの試験生産装備を開発しているが蒸着過程で困難を経験しているという。来年6月から第8世代液晶パネル生産ラインであるL8-1に量子ドット有機ELのパイロットラインを運用するという計画もロードマップ通りに進むかは未知数だ。ディスプレー業界関係者は「内部的に量子ドット有機ELを成功させられなければテレビパネル事業の未来が消えるかも知れないという危機感が強い」と話した。