韓経:<KTX脱線>天下り社長「コード」合わせて安全管理に穴

  • 2018年12月10日

大型人命被害につながりかねなかった高速鉄道脱線事故が7年ぶりに再び発生した。8日に江陵(カンヌン)駅を出発しソウルに向かっていたKTXが出発から5分後に脱線した事故は2011年2月に発生した光明(クァンミョン)駅KTX脱線事故の「再版」という点で「一歩も改善していない」という批判の声が大きくなっている。特に先月19日から3週間で大小10件ほどの事故が発生し、韓国鉄道公社の安全不感症が慢性化したのではないかとの指摘が出ている。相次ぐ事故の裏に政治家出身の天下り社長の専門性不足があるという批判も提起される。

◇3週間で故障・遅延10件余り

この日午前7時30分ごろ江陵駅を出発して珍富(チンブ)駅へ向かったKTX806列車が江陵駅から約5キロメートル離れた地点で脱線する事故が発生した。この事故により乗客と鉄道公社職員ら16人が病院に搬送されて治療を受け、400メートルにわたりレールが曲がるなど物的被害が発生した。事故当時KTXの速度は時速100キロメートル水準だったため人命被害がなかっただけで、時速200キロメートル以上で走行中に脱線していたならば大規模な人命被害が出る可能性もあった危険な瞬間だった。

問題はこうした事件・事故が3週間に11件も繰り返されたというところにある。先月19日午前1時ごろソウル駅に進入中のKTX列車が線路補修作業をしていた掘削機に突っ込んで作業者3人が負傷し乗客140人ほどが線路を歩いてプラットホームまで移動する不便を体験した。続く20日には慶尚南道(キョンサンナムド)の晋州(チンジュ)からソウルに向かうKTX列車で電力供給が切れ忠清北道清州市(チュンチョンブクド・チョンジュシ)の五松(オソン)駅で立ち往生し、京釜(キョンブ)線上下線で列車120本が遅延して1万人以上の利用客に影響を与えた。

その後鉄道公社は先月23日から10日間の非常安全経営期間を宣言し、緊急点検と安全教育などを行った。国土交通部の金賢美(キム・ヒョンミ)長官は28日に傘下機関長懇談会で五松駅停電事故と関連し鉄道公社の呉泳食(オ・ヨンシク)社長を厳しく叱責し事故防止対策を講じるよう指示した。今月に入り5日に李洛淵(イ・ナギョン)首相が鉄道公社を訪問し呉社長から鉄道事故障害再発防止対策の報告を受けたがそれから3日で事故が発生した。

◇7年ぶりに繰り返された高速鉄道脱線

鉄道公社区間で列車事故が頻繁に発生したのは国会議員を2期務めた呉社長が就任してから本業である鉄道サービスをおろそかにしたためという指摘が出ている。

呉社長は2月の就任後第一声で「水西高速鉄道(SR)との統合は公共性強化と国民便益増進という観点からこれ以上先送りすることはできない課題」と強調し、一方的に統合推進にドライブをかけた。ある鉄道業界関係者は「鉄道公社の線路でこのように事故が頻繁に発生する状況で鉄道公社主導の統合は話にならない。鉄道輸送の基本である安全運行に忠実なことが統合より優先だ」と批判した。

呉社長は就任2日後に鉄道ストなどによる労働組合員の解雇者65人の復職に労組と電撃合意した。7月にはKTX解雇乗務員180人余りに対し乗務業務でなく事務営業職として特別採用することで最終合意した。2006年5月に280人が解雇されてから12年ぶりに電撃的に雇用することに決めたのだ。8月には韓国政府の「非正規職の正規職転換」基調に足並みをそろえ正規職転換対象6769人のうち1513人を直接雇用し、残り5256人は系列会社で採用することを最終決定した。

また、機会があるたびに南北鉄道連結で重要な役割をしたいと明らかにした。鉄道業界の一角では南北鉄道連結は鉄道公社よりも鉄道網などを拡充する役割を担っている韓国鉄道施設公団が中枢的な役割をしているにもかかわらず、政治家出身である呉社長が自身の役割を誇大包装しようとしているのではないかとの懸念が提起されてきた。