韓経:【コラム】AI時代の「士農工商」=韓国

  • 2018年12月7日

「韓国内の有名工科大学教授のもとに頻繁に顔出しすることを最優先順位に置いています」

先日、日本の人工知能(AI)企業と研究開発契約を結ぶために東京を訪れた韓国ゲーム会社の高位役員に会った。韓国内でAI専門担当者を求めることができないかったので日本まで足を伸ばしたところだった。彼に今後どのようにAI専門家を確保するつもりか尋ねてみた。意外な返事が返ってきた。

彼は「時間があるたびにKAIST(韓国科学技術院)など国内の有名工大を訪問してゲーム産業に対する教授の否定的な認識を変えてみようと思っている」と話した。今も韓国の大学教授は弟子が学界に進出したり大企業に入らずゲーム会社に就職したりすれば大変だと思っているからだというのが彼の説明だった。工大版「士農工商」意識が根強く残っているという指摘だといえよう。

◆「職業貴賎」にうるさい韓国

通常の分野と同じようにゲーム分野でもAIがやれることは少なくない。ゲームに使われる各種アイテムが当初構想した通り実際に機能するのか、アイテム間の「パワーバランス」が保たれるかなどをAIが24時間休みなく超高速でゲームを事前に試すことでプログラムの検証を行うことができる。数万人が数千時間にかけてゲームをしてこそ把握できる問題点をAIは短時間に知ることができる。それだけゲーム開発にかかる費用を減らすことができる。

このように業界の需要が少なくなく待遇も相当なものなのに、十分な人材を国内で確保できないのが厳然たる現実だ。それも「礼儀正しく上品な」企業ではないため弟子を行かせることができないという学界の旧時代的な認識のために外国まで手を広げなければならない姿を見るのは愉快なことではない。

第4次産業革命時代を迎えて世界各国は激しいAI専門家の養成および確保のために戦争を繰り広げている。グーグル、アップル、アマゾンなど大型情報技術(IT)企業を前面に出した米国は関連分野産業を主導している。巨大な人口をベースにしたビッグデータを武器とする中国も決して遅れを取ることはできないと攻勢をかけている。

◆AIが作る良質の雇用基準

日本もやはりAIが熱いイシューになって久しい。官民学が一体となって競争力を育てている。安倍晋三首相は今月初めにアルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議で「日本がAI普及に関連して新たなルールづくりを主導する」と述べた。日本政府はAI関連事故が発生した時、AIメーカーが責任を負うようにするなど「AI活用7大原則」を制定して関連法や制度を整備している。

埼玉工大など日本の主要大学にはAI専攻学科が開設され、AIを実生活に活用するための実証実験にも難なく接することができる。先月は、新宿駅で急病患者や不審人物を捜し出すセキュリティーロボットの実証実験が行われた。

大学も学生も企業もAIが活用される分野であれば韓国のように「貴賎」についてとやかく言わない。

日本の人材採用企業ディスコが来年大卒予定者を対象に実施した職業選好度調査では、ゲームソフトウェア会社が医療分野専門企業、コンサルティング会社、銀行と並んで最上位圏の就職希望企業に含まれた。

AIが既存の職業に代わり、新たな雇用を作り出し、良質の雇用に対する基準を変える時代がすでに到来した。AI時代に他国は遠く先を走っているのに、韓国だけ時代錯誤的な名分論に執着しているのではないか心配だ。