韓経:【コラム】通貨覇権戦争=韓国

  • 2018年12月5日

欧州連合(EU)が米ドルを牽制するためにユーロ決済を増やす案をきょう公開する予定だ。域内エネルギー輸入額の80%以上を占めるドル建て決済をユーロに転換し、アフリカにユーロ借款を拡大するなどEU次元の新たな決済システムを開発する形だ。基軸通貨をめぐるグローバル覇権競争に再び火がつくのか注目される。

これまで国際通貨覇権の歴史は欧州と米国、アジアを中心に浮沈を繰り返してきた。1500年代にはスペインのペソが基軸通貨の役割をした。植民地から持ってきた銀と金で海上貿易を掌握したおかげだった。16世紀末にスペインの無敵艦隊が沈没した後は東インド会社を前面に出したオランダのギルダーが国際通貨に浮上した。

次は英国のポンドの時代だった。19世紀後半に各国は貿易取引の60%をポンドで決済した。ポンド時代は2回の世界大戦を経て幕を下ろした。第2次大戦が終わるころの1944年に米ブレトンウッズで44カ国が新たな協約に合意してからはドルの時代が開かれた。

基軸通貨は3種類の要素を備えなければならない。商品価格表示や取引過程で情報費用を低くでき、各国の通貨と両替する際の取引費用も減らせなくてはならない。通貨価値の安定性から価値保存機能まで備えなければならない。現在のドルはこうした要件をすべて備えている。

70年余り他の通貨の挑戦がなかったのではない。中国の人民元は2016年に国際通貨基金(IMF)の準備通貨である特別引き出し権(SDR)の5番目の構成通貨になりドルとの「通貨戦争」を予告した。だが為替相場や資本移動などに対する当局の規制に妨げられ新たな基軸通貨に浮上する可能性は高くない。一時うごめいていた日本円も後れた金融システムのため沈んでしまった。

ユーロもやはりドルの壁を超えるには力不足だ。経済規模では米国に匹敵し、アフリカに対する影響力も少なくないが、加盟国の政治・経済的背景が異なり単一国家の通貨のように安定性を確保しにくい。ギリシャやイタリアなど一部加盟国の莫大な財政赤字と高齢化した人口構造、単一金融監督機関の不在など問題点もひとつやふたつではない。

英国のEU離脱で結束力が弱まった状況ではユーロの位置づけに限界があるほかない。ただトランプ米大統領の「自国優先主義」に危機感を感じた欧州が通貨主権に関する認識を新たにする契機にできるものと専門家らはみている。今月末にブリュッセルで会う欧州首脳らはどのような決定を下すだろうか。歴史上経済覇権競争が貿易戦争、通貨戦争、金融戦争の順に展開したという点から欧州の動きに関心が集まる。