韓経:中国から手を引いた韓国企業…「1億の若い市場」ベトナムで手を広げる

  • 2018年12月4日

<1時間以内「弾丸配送>ロッテマート南サイゴン店のスタッフがグラブのバイクドライバーに顧客が注文した商品を渡している。

先月末、午前8時30分のベトナム・ホーチミン市ゴーバップ区のイーマート店舗。韓国ではマートが営業開始前の早い時間だが売り場は混雑し始めた。高温多湿な気候のためここの消費者は当日の食べ物を主に朝に購入する。

今年初めにゴーバップ店を訪れた新世界グループの鄭溶鎮(チョン・ヨンジン)副会長は激しい混雑となった訪問客の姿に驚いたという。「人の頭しか見えないほどだったため」(イーマート関係者)だ。

ベトナム事業に慎重だった鄭副会長はゴーバップ店を見た後、「店舗をもっとスピードディに増やそう」と注文した。イーマートのベトナム事業に積極的にハンドルを切った契機だった。2015年末にベトナムに進出したイーマートはゴーバップ店から3年後の来年上半期にゴーバップ店より大きい2号店を開くことにした。

13店舗を運営しているロッテマートも今月ハノイに14号店を開く。2年6カ月ぶりの新規出店だ。ロッテマートは2020年までに中型店舗を中心に87店まで店舗網を大幅拡大する計画だ。

◇消費市場急膨張・出店規制なく

ベトナム消費市場が急成長し、韓国の流通・食品・エンターテインメント企業が事業を拡張している。2年余り店舗を出さずに内実を固めてきた流通企業の歩みが特に積極的だ。これまでイーマートとロッテマートは中国市場に足を引っ張られていた。だが今年中国から完全に撤退しただけに来年からはベトナム投資に集中する戦略だ。

ベトナムの経済成長傾向を見ると消費市場の成長潜在力を推察できる。出店と営業規制もほとんどない。今年初めベトナムのコンビニエンスストア市場に進出したGSリテール関係者は「すぐそばにコンビニを出しても何も問題がないほど市場が大きくなっている」と話す。近接出店を規制し始めた韓国とは異なる。

成長潜在力は実績でも確認される。イーマートのゴーバップ店は3年間で他の追随を許さない実績を収めた。昨年の売り上げは520億ウォン(約53億円)で2016年の419億ウォンより24.1%増えた。今年は600億ウォンを超える見通しだ。先月の実績は全国170店の大型マートのうち1位を記録した。

イーマートのチョン・ビョンギ法人長は「韓国の消費者の購買力をベトナムの約2.5倍と考えるとゴーバップ店の売り上げは韓国の1500億ウォンに相当する」と話した。韓国でも「特級店舗」に該当する実績だ。イーマートは2号店に続き5~6号店まで出店する計画だ。

流通市場だけではない。ロッテリアをはじめ、シネマコンプレックスチェーンを運営するCJ CGV、CJトゥレジュールなども現地の業界でそれぞれ1位を占めている。消費市場に続き文化産業も大きくなり、CJ CGVは現在64カ所の劇場を2020年までに100カ所に拡大することにした。

◇1人当たりオンライン注文額はオフラインの2倍

韓国企業は韓国では難しいサービスも果敢に導入している。

2008年にベトナムに進出したロッテマートは13の店舗を通じモバイル注文と配送市場先取りに乗り出した。6月にはベトナムの大型マートでは初めてモバイル配送サービス「スピードL」を導入した。20~30代の女性消費者を攻略するためだ。

スピードLは消費者がモバイルアプリで生鮮食品などを注文すれば近くの店舗で商品を選んで3時間後以降の顧客が指定した時間に自宅まで配送するサービスだ。15万ドン(約726円)以上は無料で配送し、それ以下は1キロメートル当たり5000ドンの配送料を取る。

配送は持ち込みの車とバイクが担当する。スピードLに入ってくる1人当たり平均注文額は81万4000ドンで、オフライン店舗の1人平均購入額40万4000ドンの2倍に上る。

今月初めからは「注文後3時間」だった最小配送時間が1時間に大幅短縮された。東南アジア最大の配車サービス企業グラブと独占提携を結びリアルタイム配送を始めたためだ。

ロッテマートのカン・ミンホ法人長は「バイクで込み合うホーチミン市内で既存の配送車両は1度出て行けば帰ってくるのに相当な時間がかかった。グラブのバイクライダーは商品を配送した後店舗に戻る必要がなく、そこから別のお客を乗せて各自営業すれば良いため費用と時間をともに節約する効果がある」と話した。

ベトナムのオンラインショッピング規模はまだ全流通市場の1%水準だ。1位企業ラザダの年間売り上げは2000億ウォン程度だ。ロッテマートは今後2年間に出店する70店の中型店舗でグラブを活用したスピードLサービスを増やしていく計画だ。ベトナムのロッテマート店舗は売り場であると同時に物流センターとして機能することになる。