韓経:大企業も在庫増加…為替差損・人件費まで「3重寒波」=韓国

  • 2018年11月30日

韓国を代表する主要企業の在庫が過去最高となっている。生産したものが売れていないということだ。国内景気の影響を受けやすい内需企業だけでなく、韓国経済を支えてきた輸出大企業まで売り上げよりも在庫資産が大きく増え、今後の実績に対する懸念が強まっている。

◆在庫増加で工場稼働率が低下

韓国経済新聞がサムスン電子や現代自動車など売上高上位20社(金融・持ち株会社除く)の過去3年間の四半期別報告書を分析した結果、これら企業の今年7-9月期の在庫資産は108兆7964億ウォン(約11兆円)と、4-6月期(105兆3008億ウォン)に続いて過去最高を更新した。昨年7-9月期に104兆ウォン台に増えた在庫資産は10-12月期に97兆ウォン台に減少したが、今年に入ってまた100兆ウォンを超えて急速に増加している。LG経済研究院のイ・ハンドゥク研究委員は「在庫資産の増加は製品が売れていないという信号」とし「景気の悪化とともに衰退業種に偏った国内産業の構造的な問題などで、企業の活力が落ちていると考えられる」と述べた。

在庫は売り上げが増えれば自然に増加する。問題は売り上げより在庫がさらに速いペースで増加する場合だ。主要20社の売上高は2016年1-3月期の203兆4906億ウォンから今年7-9月期には252兆1139億ウォンと23.9%増えた。この期間、在庫資産は2016年1-3月期の82兆9534億ウォンから31.2%増え、売上高の増加率を大きく上回った。昨年末に比べて今年7-9月期の在庫資産増加率も11.2%と、同じ期間の売上高増加率5.3%より高かった。キウム証券のエコノミストは「これまで内需が不振でも輸出は好調だったが、輸出大企業の実績まで悪化しないか懸念される」と述べた。

2年以上も半導体好況を迎えたSKハイニックスも今年7-9月期の在庫資産は3兆6867億ウォンと、1年前(2兆5574億ウォン)に比べ44%増えた。同じ期間の売上高増加率は27%だった。昨年までは売上高の増加ペースが上回っていた。しかし在庫資産が昨年10-12月期の2兆6404億ウォンから今年1-3月期には3兆1031億ウォンに、4-6月期には3兆3678億ウォンに増え、売上高の増加ペースを上回った。スマートフォンとサーバー用メモリー半導体の需要が鈍化したからだ。

在庫が増えたことで企業の収益性にも「赤信号」がついた。在庫を減らすために販売価格を引き下げ、工場稼働率を低めて生産量を減らす過程で収益性が落ちるからだ。稼働率の低下は企業の固定費の負担を増やす要因となる。売上高上位20社の平均稼働率は1-3月期の90.8%から4-6月期には89.9%、7-9月期には89.8%と低下している。

◆為替差損と人件費の負担は重く

製品は売れないが、為替差損と人件費の負担は増えている。現代車の7-9月期の為替差損は1596億ウォンと、昨年1-3月期以来の最高水準となった。新興国主要市場のブラジルやトルコなどの通貨価値が急落したからだ。深刻な為替変動を受け、LG化学も7-9月期の為替差損が1187億ウォンと、2012年以来の最大規模となった。

現代車と起亜車、LGエレクトロニクス、イーマートなどは人件費が急増した。イーマートの7-9月期の人件費は4221億ウォンと、前期(3770億ウォン)比で12.0%増えた。最低賃金の引き上げで全般的な賃金水準が高まったからだ。現代車も7-9月期の人件費が2兆2881億ウォンと前期比7.0%増え、起亜車は6.5%増、LGエレクトロニクスは3.5%増となった。

専門家らは先制的な構造調整で過剰設備を解消する一方、企業の活力を高めるために規制緩和など改革を推進する必要があると話している。世界的な景気減速で自動車や大型マートなど一部の業種は構造的に需要が減少しているからだ。現代車の稼働率は1-3月期の97.3%から7-9月期には100.4%に増えた。欧州・南米工場のおかげだ。しかし実情は良くないという。最大規模である中国の合弁会社の稼働率が四半期別の報告書に反映されていないからだ。サムスン証券のイム・ウンギョン研究員は「現代・起亜車の中国工場の稼働率は50%水準」とし「内燃機関の自動車の需要は減少が避けられないため、過剰な生産施設を調整する必要がある」と述べた。