韓経:【コラム】「過去フレーム」に閉じ込められた青瓦台

  • 2018年11月26日

青瓦台(チョンワデ、大統領府)と親政権関係者の人たちには彼らだけの対話法がある。職級が高くても低くても、私席でも公的な席でも似た話法を使う。担当している分野と関係なくまるで約束でもしたかのように千編一律的だ。それが「過去フレーム」反問法だ。

政策・経済首席室に「最低賃金引き上げ速度がとても速くないですか?」と話せば、「過去の低賃金、搾取構造に戻ろうという話なのですか?」と反問する。また「週52時間労働制のため企業が苦労している」と言えば「過去の長時間労働と非効率に戻ろうというのですか?」と問い直す。

政務・民情首席室関係者に会い「任期3年目も積弊清算にしがみつくのですか?」と話せば「過去の不合理な慣行と権威主義に復帰しようという意味ですか?」と受け返す。安保室も例外ではない。南北関係改善の「速度超過」を懸念すれば「過去の軍事対立と冷戦体制に戻ろうというのですか?」と言う。

◇彼我を分ける反語法

韓国政府も同様だ。企画財政部、公正取引委員会の高官に会い「支配構造は企業自ら選択するようにするのが正しいのではないですか?」と言えば、「過去の財閥の皇帝経営時代を擁護するのですか?」と返す。与党である「共に民主党」も変わらない。「法人税率が他の国に比べて高い」と言い出すのが恐くなるほど「大企業の落水効果に頼った過去が正しかったというのですか?」と問い返す。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今月初めに国会でした施政演説の核心も「過去に戻ることはできない」だった。このような形の反語法は相手を縮こませる。味方と敵を分けるものさしとしても活用される。相手を「反ろうそく勢力」と烙印を押すように追い込む。

政治的反対者などを扱う方式としては効果的と感じるかも知れないが自らも孤立を招く。現実と政策目標を区分する対話を遮断してしまうためだ。多くの人たちは過去を否定することと現政権の態度と能力を区分して考える。所得主導成長が代表的だ。キム・ヒョンチョル大統領経済補佐官は「行かなかった道を行く」とした。だがすべての経済指標はその道が危険だということを示している。青瓦台が危険を警告する声を反語的フレームで詰問するたびにその危険は逆説的にさらに増幅される。

◇過去清算が政権の成功保障できない

こうした不安感は与党陣営でも感知される。民主党の琴泰燮(クム・テソプ)議員は「いま政界の最大関心事が李在明(イ・ジェミョン)京畿道(キョンギド)知事の去就問題や判事弾劾になってしまったことはいくら考えても問題にならざるを得ない」とした。過去にばかりすがっているという批判だ。急いで考えなければならない問題は雇用と民生、すなわち経済とした。民主党のある3選議員は「国政が危険な状況なのに危機感がない。だれも苦言を口に出さない」と話す。

第4次産業革命委員会チャン・ビョンギュ委員長は最近文大統領の前で「私たちは走っているが先進国とグローバル企業は飛んでいる。危機感を感じている」と話した。前に進んでいるが速度で負ければ結局過去に押し出されるという警告だ。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は退任を控え「新しい時代の長子になりたかったが旧時代の末子として皿洗いをしなければならなかった」と振り返った。盧元大統領が過去の残滓を消すのに任期5年を使い果たしたが結果はどうだったか。盧武鉉政権の失敗を反面教師としている現政権はその理由を知っているだろうか。このように反問したい。「政府批判を保守と決めつけたからと現政権の成功が保障されますか」。