韓経:通信管79メートルの火災でまひしたソウル都心…バックアップのない「超連結社会」

  • 2018年11月26日

警察と消防当局関係者が25日にソウルのKTアヒョン支社で火災原因を究明するため現場鑑識を行っている。

24日に発生したKTアヒョン支社地下通信溝火災によりソウル市内の管轄地域で通信網が不通となった。この日の火災は午前11時12分ごろに発生し、消防署員200人、消防車57台が投入されて10時間以上過ぎた午後9時26分ごろに鎮火した。火災原因は明らかになっていない。完全復旧までには1週間ほどかかる見通しだ。

◇警察・国防部の一部通信網までまひ

警察と消防当局、KT、韓国電力が25日にKTアヒョン支社火災に対し1次合同鑑識を行った結果、建物地下1階の長さ150メートルの通信溝(通信ケーブル敷設用地下道)で火災が発生し、通信ケーブル79メートルほどが焼失したのを確認した。この建物は地下1階~地上5階(延べ面積8881平方メートル)規模で通信溝には電話線16万8000回線と光ケーブル220条(電線セット単位)が設置されている。当局は26日午前10時ごろ2度目の精密合同鑑識を行い正確な火災原因を究明する計画だ。

KTは25日、「(午後6時現在で)インターネット回線は97%、無線通信網は63%復旧した」と発表した。焼けた通信ケーブルなどを交換しなければならないため通信網が完全に復旧するまでは1週間ほどかかる見通しだ。

地下通信溝に消火器だけ置かれておりスプリンクラーはないなど設備管理がお粗末で被害が大きくなったことがわかった。消防法上、通信事業用地下溝は長さ500メートル以上の時だけスプリンクラーを設置するよう規定している。長さ150メートルであるKTアヒョン支社通信溝にはスプリンクラーを設置する義務がない。

復旧作業が遅れ警察や国防部など国家機関の通信まで中断する事態が起きた。火災により西大門区(ソデムング)、麻浦区(マポグ)、中区(チュング)一帯の通信が途切れると、ソウル・南大門(ナムデムン)警察署、竜山(ヨンサン)警察署、西大門警察署、麻浦警察署の4カ所の電話と緊急通報システムに障害が発生した。竜山、西大門、麻浦の各警察署の112(日本の110番に相当)状況室の警察官はソウル地方警察庁に集まって112通報業務を処理した。

南大門警察署をはじめこの日午後に竜山警察署と西大門警察署の112システムが復旧したが、通信網がつながった後も電話は断続的に途切れ、非常サイレンが不意に鳴るなど誤作動した。管轄派出所と地区隊は依然として通信まひだ。梨泰院(イテウォン)派出所には「本日は電話使用と遺失物の受け付けはできない」との案内文が掲示された。

火災当日の24日には警察の状況照会携帯電話の「ポリフォン」もまひした。ポリフォンは警察が通報現場で被疑者の身元、事件、手配、交通状況などを即時照会できるスマートフォンだ。ポリフォンを利用できなければ被疑者を警察署に引き渡した後に内部システムを通じて照会しなければならないなど業務処理が長くなる。

この日ソウル・竜山の国防部は陸軍本部と空軍本部などの直通連結網を除いた内部・外部通信網が不通になった。国防部関係者は「直通連結網は別途の通信網を利用しており火災の影響を受けておらず、イントラネットも問題なく運営されている」と話した。

◇大学病院も診療遅延

保健・医療サービス拠点である大学病院も業務に影響が出た。ソウル・新村(シンチョン)のセブランス病院にはKT火災が招いた電算障害のために診療が遅れるという内容の案内文が掲示された。

外部通信網とインターネット網が切れインターネットホームページ接続ができなくなり、救急室でも外部からの電話を受信できなくなった。セブランス病院のある医師は「救急状況では消防隊員が救急車で患者を搬送して救急室関係者と連絡を取らなくてはならないが問題があっただろう」と話した。

平洞(ピョンドン)のソウル赤十字病院も外部通信網が途切れた。漢南洞(ハンナムドン)の順天郷(スンチョンヒャン)大学病院は午前まで内外部通信網が途絶え午後1時ごろ内部電話だけ復旧した。

病院関係者らは特に高齢患者に影響が出ると予想した。ソウル赤十字病院のチェ・ソンソプ院務担当者は、「若い人たちはスマートフォンで病院を探して連絡するが、高齢者は病院救急室にすぐ電話する事例が多い」と話す。