韓経:【コラム】「ミダスの手」孫正義=韓国

  • 2018年11月23日

ソフトバンクグループの孫正義社長にまつわる話は多い。IT界の神話、日本の青年が最も尊敬する企業家、投資の神様など孫社長を称賛する言葉も一つや二つではない。しかし何よりも孫会長を特別な存在にしているのは、誰とも比較しがたい独特の投資哲学と手法ではないだろか。

孫社長がいまやグローバルIT業界の恐竜となった馬雲(ジャック・マー)氏のアリババに投資した話は広く知られている。2000年に中国の元英語教師だった馬雲氏に会った孫社長はわずか6分で2000万ドル(約23億円)の投資を決めた。2017年のブルームバーグのインタビューで「馬雲氏は事業計画を持っていなかった。売り上げもなかった。しかし目が強烈で輝いていた。カリスマとリーダーシップがある人物に見えた」と振り返った。

当時、アリババは中国の新生IT企業にすぎなかった。さらに2000年は世界的にドットコムバブルが消え始めた時期だった。投資の対象や時期、規模などあらゆる面で疑問を抱かせる決定だった。にもかかわらず「わずか6分の決定」は2014年の上場により数千倍の結果で返ってきた。

普通、投資家は投資対象ビジネスの見通し、関連市場などを長い時間をかけて検討する。孫社長は違う。「予感」がすれば果敢に投資してみるスタイルだ。孫社長が「投資の鬼才」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏と比較される理由だ。バフェット氏は低く評価された優良企業に長期投資する手法で有名だ。一方、孫社長は未来をリードする技術企業に先に投資する手法を好む。

1986年に小さなベンチャー企業だったマイクロソフトの日本国内ソフトウェア独占販売権を獲得したのが代表的な事例だ。この決定は今のソフトバンクを築くのに決定的な役割をした。孫社長は「勝率が90%になるまで待てば遅い」とし「M&A(企業の合併・買収)は勝率70%のゲーム」と強調する。最近、ウーバー、滴滴出行、オラ、グラブ、リフトなど各国の配車サービス会社に投資したのも異例だ。「時代を変える技術を持つ企業と提携する」という孫会長の哲学が反映されたのだ。ライバル企業までも家族にして市場全体を掌握するという「孫正義式発想」が興味深い。

市場が成熟しなければ待って追加で投資する根気も見える。数日前、韓国のクーパンに20億ドルを投資したのがそのようなケースだ。ソフトバンクが2015年にクーパンに10億ドルを投資したことはよく知られている。孫社長はアリババが資金を必要としていた2004年、初期投資金の3倍の6000万ドルを再投資した。今日のアリババはそのような「忍耐」の産物だ。「投資のミダス」から3年ぶりに倍の資金支援を受けたクーパンが第2のアリババとして飛躍するのか眺めてみよう。

キム・ソンテ/論説委員