【コラム】「ゴーン様」の墜落

  • 2018年11月21日

大きくて華麗な花であるほど落ちるスピードが速い。開花は遅いが落花はわずかの間だ。世界2位の自動車グループであるルノー・日産・三菱アライアンスのカルロス・ゴーン会長が墜落する過程もこれに似ていた。1999年に倒産寸前まで追い詰められた日産自動車の経営を引き受け2年で黒字を出し、ルノーと三菱まで指揮してきた「世界の自動車業界の魔術師」が一昨日横領容疑で電撃逮捕された。

「日産再建」のおかげで日本で「ゴーン様」と呼ばれてきた彼は典型的なエリート経営者だった。ブラジルで生まれレバノンで育った後、フランスの名門エコール・ポリテクニーク(国立理工科大学)を卒業した。24歳の時に自動車タイヤメーカーのミシュランに入社し、31歳でブラジル法人社長になり、42歳でルノー副社長に抜擢された。

強力な構造調整で日産を生き返らせた彼は2001年に時事週刊誌タイムとCNNがそれぞれ選定した「世界で最も影響力あるCEO」に選ばれ、翌年にはフォーチュンの「今年の企業家」に選ばれた。それから20年近く日産CEOとして長期執権したが不名誉退陣を迎えることになった。周囲の人たちは「長期にわたり1人にとても多くの権限が集中したのが問題だった」と嘆く。

世界的な「スターCEO」からで一瞬にして「最悪のCEO」に転落した事例は多い。2012年に37歳でヤフー最高経営責任者になったマリッサ・メイヤーは「スーパーモデルの容貌にコンピュータの達人」という賛辞を受けた。名門スタンフォード大学を卒業したブロンド美女、若いグーグル副社長、高額のストックオプションなど修飾語も多様だった。だが年間営業利益を堅実に出していたヤフーコリアを解体して、従業員を解雇し続けるなど「マイナス経営」で一貫して、会社を台無しにしてしまった。

ヒューレットパッカード(HP)のカーリー・フィオリーナ元会長もフォーチュン500大企業で初の女性CEOとして華麗なスポットライトを浴びたが、創業者一族らの反対を押し切り無理に合併を進めた末に自ら没落を招いた。強圧的な経営方式と高額の報酬、会社専用ジェット機に乗って飛び回り非難を受けた彼女は従業員を3万人も削減した後、自身も解任された。

米国代表メーカーのゼネラルエレクトリック(GE)のジャック・ウェルチとジェフリー・イメルト元会長もかつては「経営の鬼才」と呼ばれた。しかし在任期間中に慢性的な問題を隠していた事実が明らかになった。ウェルチは21年間製造業の本質より金融業に重点を置き、イメルトは17年間方向性のない買収合併で不良の原因を拡大した後に会社とともに衰退した。

彼らの墜落の背景にはいくつかの共通点がみられる。自ら奇跡を作ったという慢心、長期にわたる惰性によるリーダーシップの退色、これによる組織のアイデンティティ混乱がそれだ。これは企業経営者にだけ該当するのではない。国家経営もこれと同じだ。

コ・ドゥヒョン/論説委員