韓経:「対政府闘争」宣言した民主労総…違法にも「手をこまねく」韓国政府

  • 2018年11月15日

民主労総は14日、ソウル市内41カ所で同時多発デモを行った。青瓦台前で民主労総指導部が時局座り込みに入ると宣言している(上)。民主労総組合員が国会議事堂前で垂れ幕を広げ、これを制止する国会職員ともみあいになっている(下)

全国民主労働組合総連盟(民主労総)が14日に青瓦台(チョンワデ、大統領府)噴水台前で記者会見を行い、反政府闘争を正式に宣言した。前日に過去初めて大検察庁(最高検)で占拠座り込みを行った民主労総は、この日1日だけで青瓦台、国会、明洞(ミョンドン)、木洞(モクドン)、蘆原(ノウォン)などソウル全域で41件に達するゲリラ式同時多発集会を開いた。21日の総ストを控え政府に向け総攻勢に出た格好だ。しかし警察は民主労総の違法占拠やデモに対し微温的な対応で一貫している。違法占拠座り込み者に対する法的処罰もせず、政府が事実上違法デモを黙認・幇助しているとの指摘が出ている。

◇民主労総、現政権と決別

この日青瓦台前での記者会見では、「財閥と組んで労働者と垣根を作る政府」という表現が登場するなど、現政権に対する鋭い批判があふれた。チェ・ジュンシク民主労総公共輸送労組委員長は「『これが国か』とろうそくを持って抗争し政権が変わったが、変わった政権で『偽政策』が出てきている」と主張した。政府の包容的成長政策を性犯罪に例える発言も出てきた。キム・ホギュ民主労総金属労組委員長は「大統領が所得主導成長を跳び超え包容的成長をするというが、包容を一方的にした時には抑圧になる。一方的に抱くのは性暴力」と話した。2016年の弾劾政局当時にろうそく集会を主導し現政権誕生の一番の貢献者だった民主労総は過去の同志である文在寅大統領と決別する様相だ。

民主労総はこの日対政府闘争宣言を始め青瓦台前で総スト前日の20日まで徹夜で座り込みを行う。21日には組合員18万人が全国で総ストに入る。民主労総の全国単位総ストは2016年11月の朴槿恵(パク・クネ)政権退陣要求総スト以降初めてだ。彼らは弾力労働制拡大中断、財閥改革、社会大改革などを要求している。

◇ソウル各地で同時多発デモ

この日青瓦台だけでなく国会、瑞草洞(ソチョドン)大検察庁舎、木洞、明洞、蘆原などソウル全域で同時多発的に民主労総の集会が開かれた。警察によるとこの日開かれた民主労総関連集会は41件で参加者は1000人以上と推定される。

前日に大検察庁舎を違法占拠した民主労総組合員はこの日国会でも議事堂内部に侵入し垂れ幕を広げるなど違法デモを行った。事前に申告された国会正門前記者会見が終わり民主労総指導部5人が正義党の李貞味(イ・ジョンミ)代表と面談するため議事堂内に入る際に組合員4人が追いかけてプラカードを広げた。国会事務局職員はすぐにこれを制止し、プラカードを押収した。面談しに行った指導部を待つ間残りの組合員は国会正門前でスローガンを叫んだ。現行法によると国会議事堂から100メートル以内の場所では屋外デモや集会はできない。また、国会庁舎管理規定によると許可なしで行進またはデモを行ったり、張り紙、旗、垂れ幕、ピケなどを掲げたりする行為は禁止されている。

◇取り締まりどころか顔色うかがうだけの韓国政府

政府の微温的な対応をめぐり民主労総の不法集会を韓国政府が事実上幇助しているのではないかとの指摘も出る。民主労総が3カ月間に7回も違法な占拠座り込みを行ったが関連法により処罰を受けた事例はまだない。前日大検察庁を占拠して瑞草警察署に連行された民主労総幹部も簡単な調査を受けただけですぐ帰宅措置されたという。

韓国政府と与党は最近民主労総の相次ぐ突出行動と違法集会にも「一方的で言葉が通じない」(共に民主党・洪永杓院内代表)、「これ以上社会的弱者ではない」(青瓦台・任鍾ソク秘書室長)と発言するのにとどまっている。

政府・与党が事実上傍観する理由は、民主労総をしっかりと説得し労使政対話の窓口である経済社会労働委員会に引き入れなければならないという判断のためと解釈される。民主労総は経済社会労働委員会への参加を拒否している。

ある労働界関係者は「『現政権発足から1年以上労働界との関係回復に力を入れてきたのに違法デモをしたからと1日で無にすることはできないだろう』という心理も政府内部にある」と話した。

「正しい未来党」の河泰慶(ハ・テギョン)議員は、党最高委員・重鎮議員連席会議で「(民主労総は)大韓民国の法治と経済を潰すがんのような存在。韓国政府は違法を日常的に行う幹部を全員捕まえて法の謹厳さを見せてほしい」と促した。