韓経:【社説】「いまが本当の危機」と認めしっかりとした処方出さねば=韓国

  • 2018年11月13日

文在寅(ムン・ジェイン)政権が経済チームを交替したが実体経済の下降は加速度がついているようだ。発表される経済指標ごとに目の前が暗くなる。1~9月の製造業工場稼動率72.8%は通貨危機以降20年で最低だ。2年にわたり設備10個のうち3個が遊んでおり一時的な現象でもない。看板企業である10大グループ上場系列会社も半導体を除くと7-9月期の営業利益が3.5%減った。半導体もピークに達したという。資産を売却して経営難を乗り越える企業も増加している。

雇用、投資、消費不振と自営業の没落は改めて取り上げるまでもない。街中に多く見られる空き店舗、仕事を探す人であふれる人材市場、過去最多の失業手当て受給者などがその証拠だ。「経済の根元が揺らいでいる」(金広斗国民経済諮問会議副議長)という懸念を誇張とは言えない。青瓦台(チョンワデ、大統領府)は「それでも輸出は好調」と強弁するが、輸出もやはり世界経済の鈍化、国際原油価格の動揺、新興国不安など悪材が積もるばかりだ。国際格付け会社のムーディーズも韓国の経済成長率を今年2.5%に下方修正したのに続き、来年は2.3%とさらに落ちるという悲観的見通しを出した。

こうした渦中で経済チームが電撃交替させられたが、「変化」に対する期待は持ちにくい。2期経済チームトップに任命された洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官候補者と金秀顕(キム・スヒョン)青瓦台政策室長は「経済指標不振、民生の困難は認めるが、経済危機ではない」「所得主導成長をまったく修正するつもりはない」とした。前任者がしていた話を顔だけ変えて繰り返し聞くことになる。「管理型内閣+理念型参謀」の組み合わせもそのままのため経済チームが経済主導者に投げかけるメッセージがない。ボタンをしばらく間違ってかけていたがボタンだけ変えた格好だ。

こうした状況で文大統領は「社会政策と経済政策の統合運営」を金秀顕室長に注文した。革新と効率を指向する経済政策を分配と公平を追求する社会政策と混ぜられるのかは疑問だ。本当にそうした方向に進むならば事実上の分配政策である所得主導成長がそうだったように、「経済の政治化」をさらに深めさせる素地が多い。いま切実なのは経済政策から政治要素を除去することだ。

あとどれだけ墜落すれば現実を認めて方向錯誤政策を修正するのかもどかしい。成長率が潜在成長率(推定2.8~2.9%)を大きく下回っているのに初志一貫である理由が気になる。政府は所得主導成長、革新成長、公正経済がひとつのパッケージであり来年には成果を出すと期待している。複雑系が支配する現実経済で理念的定形に捕らわれたそんな政策が効果を発揮するだろうという信頼は「迷信」に近い。どんな国でも企業・市場親和的政策なくして経済運用に成功した事例はない。構造改革と規制革新、労働改革が、経済が回復した国の共通点だ。