韓経:【コラム】「BTS効果」拡散するには=韓国

  • 2018年11月12日

防弾少年団(BTS)が断然最高の話題だ。関連ニュースが出ない日はない。10日に日本があるメンバーの「光復節Tシャツ」を理由にBTSの放送出演を取り消すことにして議論を呼んだ。これに先立ち6日に韓国で行われたミュージックアワード行事では9冠王を占めた。ファンクラブ「アーミー」の会員になろうと並ぶ人もとても多い。BTSの歌を最後まで聴いたことのない中年層も「BTSシンドローム」を話す。世界の音楽ファンとメディアがBTSと韓国に注目する。防弾がサムスンスマートフォンとLGエアコン、現代自動車など韓国代表ブランドと製品に劣らぬ商品になった。K-POP熱風はKファッション、Kビューティー、Kフード、Kムービーなど韓国文化全般に対する世界の人の人気に広がっている。韓流が完全に新しい段階に跳躍している。

大衆音楽、映画など産業化されたジャンルで他の芸術分野に目を向ければ冷たい現実がある。クラシック音楽、美術、舞踊など古典雰囲気が強いジャンルの芸術家は自身の才能を誇る空間そのものを探しにくい。「舞台に立つ機会を得られなかったクラシック専門演奏者は1人や2人でない」という音楽家の哀訴はおおげさではない。地方である大邱(テグ)オペラハウスのオーディションにも全国各地の声楽家が300人以上駆けつけるほどだ。

◇あまりに狭い芸術家への道

教育統計年報によると、4年制大学と専門大学で芸術を専攻した卒業者は年間5万3634人(2016年基準)ずつあふれる。演劇・映画、デザイン、応用芸術など売れる「市場」がある分野を除き、音楽(クラシック、国楽など)と美術・造形、舞踊専攻者だけ選んでも1万3341人になる。クラシカルなジャンルで専攻を生かし芸術家として生きていくには市場がとても小さく、相対的に供給はとても多い。

統計庁の「2015年下半期地域別雇用調査」によると、4年制大学の音楽専攻者の卒業後の進路1位は芸能講師(43.2%)だ。指揮者・作曲家・演奏者(3.7%)、歌手・声楽家(3.2%)など専攻を生かした職種には10人中1人も進めなかった。半分ほどが生計のため芸術私教育市場に足を踏み入れるという話だ。美術も視覚デザイナー(5.9%)、画家・彫刻家(4.2%)以外は筆を手にしない職業に就いた。舞踊専攻者も舞踊家・振付師は3.2%にすぎず、芸能講師が36.6%に達した。

◇NYIOPコリアという模範

韓経フィルハーモニックオーケストラを運営する韓国経済新聞社と米ニューヨーク国際オペラプロジェクト(NYIOP)が9月にアジアで初めて開催した声楽オーディション「NYIOPコリア」はそのため好評を受ける価値がある。160人のオーディション参加者のうち30.6%の49人の声楽家が先月末に選抜(契約考慮対象者)通知を受けた。世界各地で開かれたNYIOPオーディションよりはるかに多い数字だ。3月に開かれたNYIOPニューヨークでは144人中9人が、2月のNYIOPロンドンでは168人中14人が選抜されただけだ。ニューヨークシティオペラなど7つの劇場のキャスティング監督は当初劇場ごとに3~4人ずつ合計20~30人程度を契約考慮対象者に選ぼうとした。だが韓国の声楽家の驚くべき技量に惚れ込み選抜者を増やしたという。

これこそ経済と文化の間に橋を架けることではなくて何か。芸術専攻者にはその専攻を継続する舞台を用意し、国家経済には雇用を創出する純機能をする。世宗(セジョン)文化会館新代表に就任したキム・ソンギュ氏は「民間財源を結合させてこそ公演水準を高めることができる。企業がどのような芸術分野に関心があるのか、必要とするものが何かを把握したい」と話した。クラシカルな文化芸術分野もこのような形で機会を与えなくてはならない。長く持続可能な「韓流経済」を作ろうとするならば、という話だ。

チャン・ギュホ記者