韓経:韓国自動車業界、「特段の対策」なければ災い訪れる…生産過剰構造から解消せよ

  • 2018年11月1日

韓国の自動車産業がぐらついている。現代自動車など自動車メーカーは「業績ショック」に陥り、部品メーカーは連鎖倒産の危機に追いやられた。韓国の自動車メーカーは昨年中国の高高度防衛ミサイル(THAAD)報復に続き今年に入り韓国GMの群山工場閉鎖まで重なり2年近く苦戦してきた。その後遺症が本格的に姿を表わし始めたのだ。自動車メーカーの販売不振が部品メーカーの営業利益急減につながり、資金難に陥った企業が増え自動車産業の全般的な競争力が弱まる悪循環が続いていると分析される。

◇「生産能力過剰」の罠

専門家らは韓国の自動車と部品産業の生態系を正常化するために「特段の対策」をまとめなければならないと口をそろえる。韓国最大の自動車部品業界団体である韓国自動車産業協同組合のシン・ダルソク理事長(DMC会長)は、「韓国の自動車産業が10年前の水準に後退している。自動車産業の生態系が崩壊すれば来年上半期に自動車前後方産業に災いが押し寄せかねない」と警告した。

専門家らはまず「生産能力過剰構造」を解消してこそ中長期的に収益性確保が可能だと指摘する。現代・起亜自動車は2008年から生産能力を大幅に拡大してきた。現在年間908万台に達する。来年起亜自動車インド工場まで稼動すれば940万台体制となる。だが今年のグローバル販売台数は750万台水準にとどまると予想される。150万~200万台の「過剰生産能力」を解消しなければならないという話だ。2011年に466万台だった韓国自動車5社の生産台数も今年は400万台を下回る見通しだ。

サムスン証券のイム・ウンギョン研究員は「現代・起亜自動車は中国と韓国の生産量を減らす側に事業構造調整をしてこそ収益を出せる。労使合意を通じて大乗的決断をしなければならないタイミング」と分析した。カトリック大学経営学科のキム・ギチャン教授は「現代・起亜自動車など韓国の自動車メーカーが規模を縮小する代わりにインドと東南アジアなど他の市場に活路を見出さなければならないだろう」と話す。

サムスンと現代自動車が手を組むべきとの助言も出ている。ある韓国政府高官は「エコカーと自動運転、コネクテッドカーなど未来自動車市場で主導権を握り韓国の部品競争力を高めるためにはサムスンと現代自動車の戦略的提携が切実だ」と指摘した。サムスンと現代自動車が手を取り合うことができる分野は電気自動車用バッテリー、車両用半導体、エンターテインメントシステム、ディスプレーなど多様だ。業界ではバッテリーを最初に挙げる。現代自動車グループは「供給不足」状態である電気自動車用バッテリーを安定的に確保でき、サムスンSDIは世界5位の自動車メーカーに投入される大規模な需要を確保できるためだ。

◇「部品業界、現代自動車依存の慣行打破しなければ」

枯死直前である自動車部品メーカー8000社余りに対しては政府主導の「選別的構造調整」が必要というのが共通した見方だ。選択と集中を通じて生かす企業は生かし、生き残りが難しい企業は果敢に統廃合を誘導しなければならないという診断だ。ハイ投資証券リサーチセンター長のコ・テボン氏は、「政府が立ち上がって部品品目別競争力を評価した上で上位企業を中心に資金を支援し、競争力がない零細企業は統廃合する側に構造調整しなければならない」と強調した。大林大学自動車学科のキム・ピルス教授は「この機会に延命に向けた単純な金融支援を超え、生存基盤を築ける長期的なビジョンもともに描かなければならない」とした。

部品メーカーが自ら革新すべきという注文も続いている。産業研究院のイ・ハング研究委員は「部品メーカーが現代自動車にばかり依存する慣行を自ら打破しなければならない。競争力を育て海外の販売先を多角化しなければならない」と指摘した。続けて「研究開発支援資金を受けながら利子や人件費などに使って延命しようとする考えも捨てるべきだ」と指摘した。

専門家らは何より労使大妥協を通じて自動車業界の慢性的な「高コスト低効率構造」を解消できなければ「百薬が無効」という診断を出した。韓国自動車産業協会のキム・テニョン常務は「労組もいまは会社の生き残りを悩まなければならない時。賃金団体交渉周期も先進国のように3~4年に伸ばし消耗的な対立を減らさなければならない」と話した。大徳大学自動車学科のイ・ホグン教授は「自動車業界の過度な人件費を引き下げ、生産効率性を引き上げてこそ生き残りが可能だ。労働改革がされなければ答はない」とした。