韓経:【社説】北にまで軽んじられる企業家、大韓民国がみじめだ

  • 2018年10月31日

韓国を代表する企業家が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の平壌(ピョンヤン)訪問に同行した渦中に北朝鮮の一介の当局者から暴言を浴びせられ、韓国政府はそれを知りながら伏せていた事実が明らかになり波紋を呼んでいる。先月19日に平壌の玉流館(オクリュグァン)で昼食をした企業オーナーは北朝鮮の李善権(イ・ソングォン)祖国平和統一委員長から「冷めんがのどを通りますか」と皮肉を言われたという。40日過ぎた一昨日、統一部の国政監査で野党議員が問題提起をして明らかになった。李善権の暴言前歴が初めてではないというが、お客を招いておきながらどうしてこうした無礼と非常識がありえるのか耳を疑う。

企業オーナーが平壌に行ったのは青瓦台(チョンワデ、大統領府)の強力な要請によってだった。北朝鮮側は自分たちが格別に要請したと明らかにしている。そうしておきながら冗談としても耐えがたい言葉を80歳の高齢の孫京植(ソン・ギョンシク)韓国経総会長をはじめとする企業家に真顔で吐き出したのだ。実質的な経済協力投資決定権を持つオーナーらに早く結果を出すよう圧力をかけようという心づもりだったのだろう。それだけでなく北朝鮮の李容南(イ・ヨンナム)副首相は当時李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン副会長に「さまざまな側面でとても有名な人物だそうで…」と冗談を言ったりもした。

こうした辱めがあるだろうか。さらにあきれるのは韓国政府の対応だ。対北朝鮮制裁局面で慎重にならざるをえない企業家を半強制的に連れて行き侮辱を味わわせたことも問題だが、事実を知っても1カ月以上だまっていた。危うくそのままやり過ごすところだった。統一部の趙明均(チョ・ミョンギュン)長官は国政監査で「似た話を聞いた。北側では南北関係がスピードを出したらと思うところがある」と認めた。だが釈明すら北朝鮮の報道官ではないのかと思わせるほどだ。なぜ北朝鮮にそのように低姿勢なのか納得しがたい。

そうでなくても韓国企業は内外の悪材料を迎え四面楚歌だ。米中貿易戦争、金利引き上げに労働費用急増、主力産業不振の衝撃などが津波のように押し寄せ、明日を確約できない。企業の役割を根本から否定する反企業感情の法制化も加速化している。よほどでなければ経総会長団が29日に李首相との夕食会で「韓国社会が企業家を罪人扱いしている」と吐露しただろうか。国内で冷遇され北朝鮮にまで軽んじられる状況に達した。

社会主義国である中国ですら企業の業績を賛える公園まで作りながら企業家の士気を高めている。日本では政府が企業の強固な後援者を自任し、米国は雇用を作る企業に減税と規制撤廃でこたえる。唯一韓国の企業家は「潜在的犯罪者」と見なされ、新事業・新技術で競争力を育てる前に規制から見回さなければならないのが現実だ。韓国国内で起業することが徐々に「極限職業」になっていく。いまや北朝鮮当局者さえ韓国の代表企業家を無礼と暴言で接する。大韓民国がみじめだ。