韓経:雇用惨事を「短期バイト」で埋め合わせようとする韓国政府

  • 2018年10月25日

金東ヨン副首相兼企画財政部長官(右がら3人目)が24日に政府ソウル庁舎で開かれた経済関係閣僚会議で発言している。金副首相は年末までに短期公共雇用5万9000件を作る内容の「最近の雇用・経済状況に基づく革新成長と雇用創出支援案」を発表した。

韓国政府が「特段」と予告した雇用対策は結局「公共アルバイト」性格の短期雇用5万9000件を急造する臨時方便策だと明らかになった。青瓦台(チョンワデ、大統領府)による圧迫をめぐる議論まで起こった公共機関体験型インターンをはじめ、環境美化、山火事監視など労働期間2~3カ月の単純労務が新規雇用の大部分だ。韓国政府は「青年の仕事経験を蓄積し就職力を強化する」という名分を掲げているが、現実的に求職活動の時に履歴書に書くのもきまり悪い仕事だ。韓国政府が惨事水準まで悪化した雇用状況を根本的に改善させるよりは今年の雇用目標だけ満たすための「雇用粉飾」に汲々としたのではないかとの指摘が出る。

◇今年の冬だけ乗り越えよう?

企画財政部のコ・ヒョングォン第1次官は24日、「革新成長と雇用創出支援案」の説明会で、「通常12月から翌年2月まで就業者数が80万人減るという点を考慮し、恒久的な雇用ではないがオーダーメード型雇用を作った」と話した。雇用に冷たい風が吹く冬を一時的に乗り越えるための臨時方便であることを政府も認めた格好だ。

政府内では今年半分になった雇用目標も達成しにくいという懸念が根強く出ていた。韓国政府は7月に発表した「下半期経済政策方向」で雇用目標値(就業者増加幅)を当初の32万人から半分水準の18万人に引き下げた。その後青瓦台のチャン・ハソン政策室長は8月に国会に出席し、「10万~15万人が正常な就業者増加だと考える」として目標値をさらに低くするような発言をした。企画財政部が4日に公共機関に「3カ月以内に採用できる単純・短期雇用を増やせ」と指示したのも結局年末の雇用指標をどうにか引き上げるための「小細工」と解釈された。毎月15日が属する1週間の収入を目的に1時間以上だけ働けば就業者と見なされるためだ。

◇ビラを配って…空いている講義室を消灯する

政府が年末までに創出するという短期雇用をひとつずつ開けてみると、「オーダーメード型雇用」という表現が色あせるほどだ。短期雇用5万9000件は過去の通貨危機当時に主に活用した公共労働の性格の単純労務でほとんどが満たされた。ビラ配りなど日雇いバイト水準の雇用が数千件の規模で編成された。外国人違法雇用防止啓蒙要員(500人)は違法滞在者を取り締まる前に広報資料を配って自発的に出国することを勧める仕事をすることになる。小商工人ゼロペイシステム広報(960人)、労災保険小規模事業所加入拡大案内(600人)も同様の業務という。政府・公共機関行政業務支援(2300人)は政府官庁などで書類のコピーなどを担当することになる。国立大学エネルギー節約スタッフ(1000人)は空いている講義室を回りながら消灯する業務を主に担当するという。

緊急性が劣っていたり目的が不明な調査業務も少なくない。山火事・伝統市場火災監視員(1500人)、ラドン測定サービス(1000人)、単身高齢者全数調査(2500人)、ドローン活用など土地利用現況調査(150人)、公共施設耐震設計実態全数調査(60人)などが代表的だ。単純環境整備雇用も大挙編成された。農閑期農村生活環境整備(5000人)、漁港・海洋環境浄化(1000人)、伝統市場環境美化(1600人)などだ。

◇雇用安定資金支援増やすというが…

今回の対策には零細自営業者対象の雇用安定資金支援を年内に拡大し、自営業分野の雇用創出を支援する案も盛り込まれた。韓国政府は当初来年から5人未満の飲食・宿泊業など最低賃金引き上げの打撃が大きい分野に限り雇用安定資金を月13万ウォンから15万ウォンに引き上げることにしたが、今回の対策で今月から適用することに方針を変えた。

当初今年の支援分13万ウォンは2018年度の最低賃金引き上げ率16.4%から過去5年間の平均引き上げ率7.4%を差し引いた9%分に相当する金額だ。零細自営業者は来年には最低賃金引き上げ率10.9%から過去5年間の平均引き上げ率を除いた3.5%分に相当する5万4000ウォンを加え合計18万4000ウォンにならなければならないと主張している。韓国中小商人自営業者総連合会関係者は「月15万ウォンの安定資金支援では最低賃金引き上げ分をまかなうのに大きく不足する」と話した。