韓経:韓国、脱原発1年で核心人材205人離職…「原発生態系崩壊も」

  • 2018年10月16日

エネルギー経済研究院とデロイト安進会計法人は先月、脱原発政策により原発産業の人材が大幅に減るという内容の「原発産業生態系改善案」報告書を発表した。海外原発輸出がなければ今年約3万9000人の人材が2030年には2万6700人に減少するという暗鬱な見通しが盛り込まれた。原発人材の10人中3人は失業者になるという話だ。サウジアラビアの原発2基と英国の原発2基を受注するという仮定の下でも原発人材は2030年に2万9800人まで減る。

当時韓国政府は「過度に悲観的な見通し」と一蹴した。報告書の内容は政府の各種支援策がない場合を想定したシナリオであり、産業を持続的に支援して生態系を維持するので心配する必要がないという説明だった。

◇原発頭脳の離脱現実化

だが原発人材の離脱はすでに現実に起きている。自由韓国党のチョン・ユソプ議員が15日に韓国電力技術と韓国水力原子力、韓国電力KPSから提出させた「原発人材退職者現況」によると、これら公企業3社だけで昨年120人が辞表を書いた。2016年の93人から大きく増えたもので、定年退職などを除いた自発的な退職者だけ集計した数字だ。今年も8月までで85人が離職した。1カ月平均10.6人で昨年の10.0人より多い水準だ。

民間でも従事者の心理的動揺は相当だ。原発業者ナラパワーのユン・イクボ代表は「民間ではまだ退職者は多くない」としながらも、「日を追うごとに仕事が減って業界を離れるべきだという話をする人が増加している」と伝えた。

原発人材の海外流出も可視化している。韓国電力技術など公企業3社からの海外離職は2015~2016年には1人だけだった。だが昨年は9人に増え、今年も8月までで5人に達する。全員がアラブ首長国連邦(UAE)に行ったと集計された。だがUAEにいるある離職者が「昨年以降に転職した人は20人程度」と伝えていることを考慮すると実際の海外離職数字は集計より多いものと推定される。

◇中国がスカウト戦に加勢すれば…

特に来年以降からは人材の海外流出が大きく増えるというのが専門家らの共通した予想だ。ソウル大学原子核工学科のソ・ギュンリョル教授は、「新規原発5基を作る事業が残っておりまだ離職はそれほど多くはないが、来年には新規原発の設計業務がほとんど終わるので人材エクソダス(大脱出)が広がる懸念が大きい」と話した。

これまで海外離職は主にUAEなど中東に集中しているが、中国で人材スカウトが本格化する可能性もある。ユン代表は「中国は韓国と違う原発モデルを持っており、まだ韓国の技術者の需要は少ない方だ」としながら「今後新規原発建設が増え新たま原発モデルの開発を推進すれば韓国人材に対するラブコールを増やすだろう」と話した。

◇「原発産業生態系の崩壊懸念」

問題は、人材流出はそのまま国富流出、産業生態系破壊につながるという点だ。ソ教授は「海外に離職する時に韓国の技術を流出しないという誓約をするが、海外企業で働くことだけで該当人材が保有するノウハウが自然に移転されるほかない」と指摘した。韓国が誇る新型原発モデル「APR1400」の競争力も淘汰される懸念が大きい。APR1400を遂行できる技術者と部品業界の人材が韓国を離れれば抜け殻が残るほかはないという話だ。APR1400は最近米国の原子力規制機関から「設計が安全だ」として標準設計承認を受けた。それだけ国際的な技術競争力を認められたわけだ。

チョン・ユソプ議員は「韓国政府は脱原発政策に固執しながら人材流出は心配する必要がないと話すが、すでに海外離職が始まっている。こうした傾向ならば原発産業のサプライチェーンが崩れ世界最高水準の技術競争力も枯れてしまうだろう」と指摘した。