韓経:【コラム】日米がノーベル賞を受賞した「免疫抗がん剤」

  • 2018年10月3日

がん治療は人類の長い間の夢だったが、最初の抗がん剤が登場したのは70年ほど前だ。第二次世界大戦当時の1943年12月、ドイツ軍の攻撃を受けた米国商船で毒ガス(マスタードガス)が流出した。船に乗っていた民間人と周辺の連合軍艦隊の兵士がガスに露出して悲惨に死んでいった。

米国薬学者アルフレッド・ギルマンとルイス・S・グッドマンは死因を分析中、毒ガスががん細胞を阻止することを発見した。3年後、2人は血液がんの一つ、リンパ腫の治療薬開発に成功した。しかし第1世代「化学抗がん剤」は毒薬でがん細胞を殺すものであり、正常な細胞も損傷させた。

がん細胞だけを選んで攻撃する第2世代「標的抗がん剤」が開発されたのは2000年に入ってからだった。ほかの細胞への影響が減ったこの治療剤は「魔法の弾丸」と呼ばれた。しかし周辺細胞の損傷は防げなかった。すぐに耐性ができる問題も解決できなかった。このような限界を克服したのが2014年に出てきた第3世代「免疫抗がん剤」だ。

免疫抗がん剤は健康な免疫細胞を活性化させてがん細胞を攻撃し、耐性まで減らす治療剤だ。このため「ペニシリンの発見」に匹敵する成果に挙げられる。ジミー・カーター元米大統領の皮膚がん、黒色腫を治療したのも免疫抗がん剤だ。韓国の肺がん末期患者もこの薬で完治し、話題になった。

免疫抗がん剤の原理を発見した本庶佑京都大教授とジェームズ・アリソン米テキサス大がんセンター教授が今年のノーベル医学生理学賞受賞者に選ばれた。彼らの研究のおかげで最近、がん細胞を殺す第4世代「代謝抗がん剤」と微細装備を利用した「ナノ抗がん剤」の開発に弾みがついている。

日本に5つ目のノーベル医学生理学賞をもたらした本庶教授は昨日のインタビューで「大学の同級生が若くして胃がんで亡くなった後、がん関連研究を始めた」とし「時代を変える研究には『6つのC』が必要」と述べた。「好奇心(curiosity)と勇気(courage)、挑戦(challenge)と確信(confidence)、集中(concentration)と連続(continuation)がそれだ」。

この言葉は本庶教授が基礎科学研究の重要性を強調しながら出てきた。「極めて基礎的な研究が、新しいがん免疫療法に結びついた」という本庶教授の「6C精神」に励まされて、人類ががん(cancer)を完全に征服する日が早期に来ることを期待する。韓国人の死亡原因1位もがんだ。

コ・ドゥヒョン論説委員