韓経:【社説】大韓民国は企業家をあとどれだけ陵辱するのか

  • 2018年10月1日

今年もまた国政監査シーズンが近づいたこと知らせるイベントが始まった。ほかでもない「企業家証人呼び出し」騒乱だ。国会国土交通委員会所属のある議員室が国政監査の証人として申請したという企業の名簿を流しながら企業をやきもきさせる「企業籠絡」の新手法まで登場した。

企業家を呼んで恥をかかせたりこらしめる行列には保守と進歩、与党と野党の区別はない。「親企業」を自認する自由韓国党の一部議員は文在寅(ムン・ジェイン)大統領に同行して平壌(ピョンヤン)に行ってきた大企業オーナーを証人として呼び出すと言い出した。「南北経済協力、山林協力と関連して北朝鮮側とどのような話をやりとりしたのか問い質す」という事由にあきれる。大韓民国国会の水準はこの程度だ。

国会だけでない。この国を引っ張っていく立法・司法・行政の従事者の企業と企業家を見る視線が心配なほどだ。検察は労使管理、投資決定などの経営行為に「引っかかりさえしてみろ」という殺伐さが感じられる、ほこりをはたくような捜査で企業家を窒息させるという声が聞かれ久しい。

司法府も背任罪など「引っかけようとすれば引っかかる」法条項を企業の断罪に乱用するのではないかという懸念が高まっている。文在寅政権になって声が一層大きくなった左派市民団体の古くさい「財閥積弊清算」レパートリーを前面に出した反企業感情加速化もますます猛威を振るっている。企業家が三重四重の足かせをはめられた状況で経済が正常に回っていくならばそれはおかしなことだ。

経済規模が韓国の12倍である米国は連邦準備制度理事会(FRB)が数日前に今年の成長見通しを2.8%から3.1%に上方修正した。これに対し韓国は看板国策研究院である韓国開発研究院(KDI)すら2%台への急落を予想するほど悪化している。まともな雇用が姿を消し、青年だけでなく中高年、高齢者に至るまですべての世代が「雇用戦争」に追いやられている。

それでも韓国政府は成長と雇用の源泉である企業活動を鼓舞する代わりに、親労組・反企業政策を強行している。この国を1人当たり所得3万ドルの敷居に引き上げた企業は「透明人間」ということなのか。大韓民国の躍動性を象徴し跳躍を先導してきた企業と企業家がこのように「袋叩き」され、物笑いの種にされ侮蔑される国を正常な国と言えるのか尋ねざるをえない。

企業家を身分秩序の最底辺に追いやり冷遇した士農工商の朝鮮時代がどのような結末を自ら招いたのかは振り返ることすらぞっとする。開城(ケソン)商人の象徴だった巨商林尚沃(イム・サンオク)と、済州(チェジュ)物流を起こし貧民救済に大きな功績を立てた金万徳(キム・マンドク)が、晩年に企業家の暮らしを捨て両班階級の末端を金で買ってかみしめた悲運を21世紀の後裔が相続しなければならないというのは本当にあきれ恥ずかしいことだ。企業家が本来の席で役割を担えるように変えていくことをこれ以上先送りしてはならない。「高尚な士人」を自任する人々の隊伍覚醒が急がれる。国会が懺悔と改悛の第一歩を踏むことを勧告する。だれが見ても企業家いじめと嘲弄、凌辱の競演場に堕落した国政監査を大手術することから第一歩を踏むことを望む。

この際韓国にだけあるという定期国政監査制度を廃止し、常時国会開設など主要先進国が施行しているシステムをいまからでも導入することを注文する。政治・行政・司法的に何の力もない企業と企業家を握り揺さぶって起業する心を奪う凌辱こそこの政権が強力に押し進めている「積弊清算」対象に真っ先に置かなければならないだろう。いまのような形では看板企業が海外に移転する「企業亡命」が現実に起きないか心配だ。