韓経:【コラム】アベノミクス、何が変わったのか

  • 2018年9月21日

「(量的緩和政策を)ずっとやっていいと私は全く思っていない。いつこの緩和についてどう判断するかはマクロ経済として黒田さん(日本銀行総裁)が判断する。私の任期のうちにやり遂げたいと考えている」。

安倍晋三首相が14日に行われた自民党総裁選討論会で述べた言葉だ。一見、安倍首相がアベノミクスをやめようとしているように聞こえる。意外なことだ。しかしアベノミクスの本質を知れば容易に理解できることでもある。

◆パッケージ化した政策が成功の要因

2012年初めに「世界での勝利」を掲げて始めたアベノミクスだった。量的緩和、積極的な財政政策、成長政策の「3本の矢」で構成された政策プラットホームだった。安倍首相は20年間続いたデフレーションと国民の自信喪失という束縛から日本が抜け出せるようにするのが自分の任務という主張もした。電子企業も部品会社も、観光産業も、文化戦争も韓国に押されて2流、3流国家に転落するかもしれないという危機感と切迫感がその裏にあった。当時、国際通貨基金(IMF)は韓国が2019年に購買力基準の1人あたりの国内総生産で日本を追い越すという報告書を出した。

安倍首相が追求した方向は政策ポートフォリオを適切に調整するプラットホーム構成だった。金融政策、財政政策、産業政策を同時にパッケージで推進した。一面的な政策でなく政策の組み合わせ、融合だった。ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授は「アベノミクスで個別の政策は新鮮なものでないかもしれないが、このような組み合わせは珍しい」と評価した。

また安倍首相は政策の一貫性を維持しながらも外部環境に合わせて機敏に内容を変えた。プラットホームがある環境でコンテンツを思うままに変換する形態だった。企業規制の緩和と産業構造の調整もここに組み込んだ。人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)など第4次産業革命を支援して調整する政策もこのようなアベノミクスのプラットホームに含まれた。2015年には育児支援や社会保障など「新3本の矢」を発表した。

こうした組み合わせの効果はすぐに表れた。名目GDPは550兆円を超え、物価も2%水準に上がっている。雇用環境と企業実績はかなり良くなった。アベノミクスの効果だけでないのはもちろんだ。この期間、世界経済も上向き、さまざまな環境が追い風となる運もあった。観光、自動車部品、電子部品は十分な競争力を持った。アベノミクスに対する批判もある。日本経済が正常軌道に乗ったにもかかわらず非常時に使う政策を依然として展開しているということだ。

◆高齢化に注目した新アベノミクス

安倍首相が昨日、自民党総裁選挙で連続3選を果たした。異変がない限り2021年まで執権が可能だ。すでに安倍首相は今後3年間に施行する新しい政策パッケージを出した。今年、超高齢社会に合う雇用制度を作り、来年には医療・年金など社会保障全般の改革を進めようとしている。

政策は最大の成果を引き出すのに必要な高度な芸術であり政治だ。戦略的な一貫性を維持しながらも柔軟で適切に組み合わされた政策が政治の成功という事実を安倍首相は見せている。

いま韓国は個別の政策としては妥当性があるかもしれないが、全体的には機能しない政策が多い。こうした政策があちこちで破裂音を出している。一度政策を決めれば世論の反発にもかかわらず変えようとしない。アベノミクスとは完全に反対の方向に進んでいる。