グーグルは無人車、サムスンはIoT、日立は鉄道…M&Aで新事業開拓

  • 2015年3月9日

グローバル企業のM&A(企業の合併・買収)は事業シナジーを通じて収益性を高めようという趣旨で推進されてきた。しかし最近は未来収益事業の発掘を重視して進めるグローバル企業が増えている。サムスン電子のループペイ買収やグーグルのソフトカード買収もモバイル決済事業に参入するための布石だ。産業環境が急変すれば、自らの研究開発(R&D)だけで新事業に進出するのは難しいと判断しているからだ。

2010年までスマートフォンの代名詞のような存在だったブラックベリーがモバイル時代に適応できず衰退の道を歩んだように、モノのインターネット(IoT)、エコカーなど新しいパラダイムに対応できなければ一瞬にして崩れるおそれがあるという懸念が反映されている。

核心の力を保有する会社を買収すれば、関連技術と核心人材を一度に確保できる効果が生じる。買収対象企業の収益能力を計算して価格(企業価値)を算定するのではなく、未来のビジネスチャンスを確保するというレベルで果敢に投資するグローバル企業が増えている。グローバルM&A市場が拡大する理由だ。

◆M&Aで未来収益事業を確保

サムスン電子は昨年下半期以降、海外で7社を買収した。出資まで合わせるとその数はさらに増える。ほとんど流通およびサービス(クワイエットサイド、シムプレス)、医療(アーリーセンス)など、現在の主力事業とは関係が少ないが、サムスンの未来ビジョンと一致する分野の企業だった。サムスンは現在60兆ウォン(約7兆円)ほどの現金を保有している。

グローバル企業の動きはさらに速い。アップルやグーグルはそれぞれ1780億ドル(約195兆ウォン)、640億ドルという保有現金を活用し、世界ビジネス生態系の主導権争いをしている。最近、両社が相次いで無人車市場に進出すると宣言したのが代表的な事例だ。グーグルがスカイボックス(衛星)、ビジョンファクトリー(人工知能)などを買収したのは、無人車市場を先に確保しようという戦略の一環という分析が出ている。

日本でも変化が表れている。日立はM&Aを通じて企業体質の変化を成功させたケースに挙げられる。テレビなど従来の家電事業がサムスンなどに劣勢になると、2012年に「社会イノベーション」という新しい企業ビジョンを掲げ、インフラ分野の企業を集中的に買収した。先月はイタリア鉄道会社フィンメッカニカの鉄道信号システム事業買収に2500億円を投資した。昨年、日立の主力事業だった家電の売上高比率は10%以下に落ちた。

◆韓国大企業もM&A積極的に

M&Aが未来収益事業を確保する手段に浮上する状況で、国内大企業もM&A戦争に積極的に参入すべきだという指摘が出ている。内部力の強化による事業拡張に慣れている企業が、依然としてM&Aに保守的な姿勢を見せているということだ。

産業研究院のイ・ハング研究委員は「電子、鉄鋼、造船など、これまで韓国経済を牽引してきた主力事業の成長の勢いが鈍り、新しい事業の創出が求められている」とし「特に韓国企業は米国、日本などに比べて基礎技術が不足し、従来の事業を拡大するよりもM&Aを通じて新しい事業を探すことを検討するべき」と強調した。

イ委員は「2008年に金融危機に直面した米国経済が最近回復し、構造改革をしてきた企業がM&Aに乗り出すなど、企業間の“大競争時代”が始まる可能性がある」とし「韓国企業も競争力がある技術会社を積極的に買収する必要がある」と述べた。