【コラム】韓銀、デフレファイターになれ(1)

  • 2015年3月10日

ある日本企業の労組の闘争スローガンが「賃金据え置き」だという話を聞いた。「労組が賃金据え置きを主張するとは」と思うかもしれないが、すべてのものの価格が落ちる状況で賃金だけは下げないで欲しいという要求だ。デフレの威力を感じることができる。

デフレは物価が全般的に下落する現象だ。一部では「物価が下がればよいのでは」という指摘がある。もちろん自分の月給が上がりながら物価が下がればよいだろう。しかし物価が下がれば企業の売上高が減り、結局は月給も削減される。経済主導者は名目金額に非常に敏感だ。入ってくる給料の金額が据え置きまたは減少すれば、危機感が生じる。お金を使おうという思いが弱まり、財布の紐を締める。金額が減れば、月給が減るペースよりも速く消費が減る。経済主導者が実質価値だけでなく名目数字に相当な影響を受ける現象を「貨幣幻想」という。デフレはまさにこの貨幣幻想と結びつきながら経済主導者の心理を冷え込ませる。

もし経済の中に物の価格がずっと落ちるというデフレ心理が定着すれば、これは災難だ。例えば不動産は買えば無条件に損失につながる。取引は減る。不動産だけではない。すべての消費がこのようになる。物の販売が減り、消費が減り、所得が減りながら、価格はさらに落ちる。悪循環が固着し、お金が回らず、経済に氷河期が到来する。

このため世界の中央銀行が物価上昇率の目標値をプラスに設定していることが理解できる。マイナス物価上昇率を目標にすることも可能だが、デフレこそが災難だと考えると、目標値は常にプラスだ。物価が少しずつ上昇してこそ「上がる前に買おう」と考えて不動産を見に回る。インフレ率が年2-3%ほどだが、住居価格の上昇率がその程度なら、決して不動産投機ではない。経済が滑らかに動きながらお金がよく回るようにするための潤滑油レベルだ。不動産取引が生じてこそ大きな負債を抱える人が家を売却して返済できるため、家計負債の解決にも役立つ。