韓経:韓国から離れる外資系法律事務所…米シンプソン・サッチャーが撤退

  • 2018年8月22日

米ニューヨークに本社を置く大手法律事務所のシンプソン・サッチャー・アンド・バートレットが韓国に進出した外資系法律事務所で初めて韓国から撤退する。韓国の法律市場の門戸が開かれ外国の法律事務所が大挙押し寄せてきてから6年ぶりだ。韓国で活動する28社の外国法律事務所のうち多くが営業不振を体験しており、撤退が続くだろうという見通しが出ている。

21日の法曹界によると、シンプソン・サッチャーは年内に韓国事務所を閉じることに決め整理手続きを踏んでいる。今後韓国関連業務は香港事務所が担当することにした。

シンプソン・サッチャーは米国の買収合併(M&A)と企業公開(IPO)市場で大きな影響力を行使する法律事務所だ。2012年に韓国法律市場の開放後に外国法律事務所で4番目に韓国事務所を開いた。最近内外の法律事務所間の競争が激しくなる中で業務が減り業績が悪化した。シンプソン・サッチャーのほかにもある英国系法律事務所も核心人材が離脱し事実上開店休業状態だという。

シンプソン・サッチャーは世界で最も収益性が良い法律事務所だ。米法律市場専門メディアのアメリカンロイヤーによると、シンプソン・サッチャーの昨年のパートナー弁護士1人当たり収益は348万5000ドルで世界の法律事務所でトップだった。シンプソン・サッチャーはブラックストーン、KKRなど大型プライベート・エクイティ・ファンド(PEF)のバイアウト(経営権買収)を担当し、米国の買収合併コンサル市場の最強者として知られる。企業公開(IPO)市場でも2004年にグーグル、2010年にテスラ、2012年にフェイスブック、2014年にアリババなど超大型企業の諮問を担当した。

韓国では1997年の通貨危機後に韓国企業の海外債券発行を担当して有名になった。2012年に韓国に進出した後、現代自動車と韓国電力の海外債券発行、サムスンバイオロジックスとセルトリオンヘルスケアのIPO、KKR・アフィニティコンソーシアムによるOBビール売却など大型取引を担当したりもした。

だが内外の法律事務所間の激しい競争の中で高い壁を実感したまま撤退を決めた。シンプソン・サッチャーだけでなくさまざまな外資系法律事務所が業績不振から代表クラスの弁護士が交替させられ、核心人材が韓国国内の法律事務所に流出するなど運営に困難を経験している。韓国の大型法律事務所関係者は「2012年に韓国の法律市場開放後に海外法律事務所が高級法律サービスを掲げて韓国市場を掌握するという懸念が高かったが、現在まで進出成果は『期待以下』という評価が多い」と話す。

シンプソン・サッチャー韓国事務所が経営に困難を経験した根本的な理由は、外資系法律事務所が担当できる業務が一部の諮問業務に制限されているためだ。外資系法律事務所は国際仲裁、クロスボーダー(国境間)M&A、海外債券発行、プロジェクトファイナンシング(PF)など外国法関連諮問だけできる。こうした中で28に達する外資系法律事務所が競争したため収益性が悪化するほかないという評価だ。訴訟を含めた総合法律サービスを提供する韓国の大型法律事務所に比べ営業力が落ちることも限界に挙げられる。

シンプソン・サッチャーは韓国企業の海外債券発行を主要収益源としたが、最近仕事が減る過程で競争会社であるクレアリー・ゴットリーブに一部顧客を奪われたというのが業界関係者の話だ。

専門家らは韓国の法律市場の構造上、28社に上る外資系法律事務所がすべて生き残るのは難しい環境だと口をそろえる。韓国は最近3段階の市場開放を通じて外資系と韓国の法律事務所が合弁会社を設立できる道を開いた。だが外資系法律事務所の出資比率は49%までに制限される上、韓国の法律事務所があえて外資系と合弁を設立する必要性は少なく、韓国の法律市場の構図を揺さぶるのは難しいだろうという見方が多い。