韓経:中国・欧州行き航空機、ともすれば遅延…知ってみれば中国のせい=韓国

  • 2018年8月20日

15日午後2時15分に仁川(インチョン)国際空港を離陸しイタリアのローマに向かう予定だった大韓航空KE931便は5時48分に離陸した。搭乗客368人は機内で3時間33分の間出発を待たなければならなかった。目的地であるイタリアに行くには中国領空を通らなければならないが、雷が発生するなど現地の気象が悪化して中国航空当局が領空通過を制限したためだ。家族との欧州旅行のためにこの飛行機に搭乗したある乗客は、「ローマ空港到着後に乗り換えようとしていた便に乗り遅れるなど旅行日程が狂ったが補償を全く受けられなかった」と悔しさを吐露した。航空会社側は機体の欠陥など航空会社の過誤ではなく天候にともなう遅延のため補償対象ではないと説明した。

韓国から中国や欧州へ向かう航空便が遅れる事例が続出し乗客の不満が大きくなっている。欧州へ行く空の道である韓中航路が急増した航空便の需要をさばききれずにいる上に中国が運航承認を厳しくしているためだ。

◇「韓中航路」1時間当たり7~8便の受け入れ可能

仁川国際空港公社が19日に明らかにしたところによると、今年に入って先月まで仁川から中国・欧州に向かう航空便のうち1024便で予定された出発時刻より1時間以上遅れた。1日辺り4~5便で、今年全体では遅延航空便が2000便を上回るという見通しが出ている。仁川発中国・欧州行き航空便の遅延事例は2015年の899便から2016年が1344便、昨年が2202便に増えた。

航空業界では「需要(航空便)に対応しきれない供給(航路)」を遅延出発の最大の原因に挙げる。仁川空港を離陸して中国北部とモンゴル、中東、ロシア、欧州へ向かう航空機はほとんどが北京上空を通る韓中航路を利用する。2013年にこの航路を通過した航空機は11万5000便だったが、2015年以降毎年14万~15万便と20%以上増えた。仁川空港公社関係者は「韓中航路の航空機受容量は1時間当たり平均7~8便にすぎない。中国発の飛行機だけでなく日本から出発した飛行機までこの航路に集まり深刻な混雑が起きている」と説明した。

今年1-3月期基準で定刻に出発した航空便の割合を示す定時率は欧州行きが83.66%で、日本行きの95.07%、中南米行きの93.14%などに比べ低かった。日本の航空会社は定時率を高めるために混雑する中国領空の代わりにロシア上空を経て欧州へ向かう航路を利用したりもする。

中国・欧州行き航空便の遅延問題が深刻だと判断した国土交通部も対策準備に出た。国土交通部は中国とともに航路を複線化する作業を推進中だ。早ければ12月に航路をもうひとつ用意し韓国から出発する航空機と韓国に到着する航空機を分離して需要を分散させるという構想だ。航空業界関係者は「航路を複線化すれば中国内陸から北京までは分散効果があるだろう。北京と仁川を結ぶ航路は距離も短く、運航高度を分けにくいため受容量を大きく増やすのは難しいだろう」と予想した。

◇ともすれば離陸統制する中国

仁川を出発して海外に向かう飛行機10便のうち7便は中国航空管制所の指示を受ける中国領空を通過する。だが中国側が予告なく出発延期を通知することが増加しており航空会社が当惑している。中国航空当局が運航を許可しない代表的な理由としては気象悪化と軍事訓練が挙げられる。中国は韓国と米国、欧州よりも厳しく運航可能な天候を選別している。韓国航空当局は雲の濃度が50%以下であれば離着陸許可を出すが中国は20%以下の時だけ離着陸できるように統制している。

中国の大規模軍事訓練も航空便遅延原因のひとつだ。中国は軍部が自国領空の4分の3ほどを直接統制するが、空軍が飛行中の時は民間機の離着陸を禁止する。民間機は軍の許可が下りるまで滑走路や空で待つほかはない。韓国大手航空会社の運航担当役員は「中国領空では軍部の統制が絶対的。表向きは気象悪化を運航禁止事由にしているが実際には戦闘機の機動訓練のためのケースがたびたびある」と打ち明けた。

南北和解ムードもあり北朝鮮領空を通過する空路が中国・欧州行き路線の遅延を緩和する代案になるという分析もある。韓国の航空会社は北朝鮮のミサイル脅威のため2010年5月24日の対北朝鮮制裁措置以降北朝鮮領空を通過しないでいる。北朝鮮が年間180億ウォンほどの領空通行料収入を狙い領空開放に積極的に取り組む可能性は大きいとの見方も出ている。