韓経:45カ月「受注ゼロ」…現代重工業の海洋プラント工場20日から稼働中断=韓国

  • 2018年8月8日

原油とガス生産・ボーリング設備を製作する現代重工業の海洋プラント工場は20日から稼動を中断する。仕事がないためだ。2014年10月にアラブ首長国連邦から受注したナスルプラント(原油ボーリング設備)を19日に引き渡すとそれ以上やる仕事がない。現代重工業は低い人件費を前面に出した中国などに押されてナスルプラント受注から45カ月にわたり海洋プラントを1件も受注できなかった。

3月に英国の石油会社ブリティッシュペトロリアム(BP)が発注したトルテュ海洋プラントを中国コスコに奪われたのが代表的だ。現代重工業関係者は「トルテュプラントはわれわれと厚い関係を維持してきた欧州のエンジニアリング企業が製作費の安い中国企業と組んで契約を結んでおりさらに衝撃的だった」と打ち明けた。

プロジェクト1件が数兆ウォンに達し、未来の収益源に挙げられる海洋プラント分野で現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋の韓国造船ビッグスリーが深刻な「受注の崖」に苦しめられている。ドリルシップ(海洋ボーリング設備)など7基を建造中の大宇造船海洋は2014年にカザフスタンのTCOプロジェクト(原油生産設備)を獲得してから海洋プラントの新規受注がない。サムスン重工業も昨年6月にモザンビークのコーラルFLNG(浮体式LNG生産設備)プロジェクトを受注したのが最後だ。

韓国企業の受注が途絶えた理由は中国とシンガポールなど競合国に比べて高い人件費のためだ。昨年12月に韓国の造船大手3社を抜いてヨハンカストバーグ(原油生産設備)プロジェクトを獲得したシンガポールのセムコープマリンの入札価格は韓国の造船会社より20%近く低かった。シンガポールの造船会社は人件費が低い東南アジアの労働者を雇用して原価競争力で韓国をリードした。現代重工業のカン・ファング社長が最近従業員に「人件費がわれわれの3分の1水準である中国とシンガポールなど海外の競合企業に勝つためには原価を低くしなければならない」と訴えた理由だ。

高賃金構造が受注の崖を呼び起こしたという指摘にもかかわらず、造船会社の労組は賃金引き上げを要求してストを実施し将来をさらに暗くしていると指摘される。海洋プラント工場が止まれば2000人ほどの遊休人材が生じるが、現代重工業労組は過去最悪となる1兆9232億ウォンの営業損失を出した2014年から今年まで5年連続でストをした。2015年から3回にわたり13兆7000億ウォンに達する公的資金を支援された大宇造船海洋の労組も先月スト案を93.4%の圧倒的な賛成率で可決するなどストの準備を終えた。

韓国は超大型コンテナ船(VLCC)とLNG運搬船など高付加価値船分野でも中国の激しい追撃を受けている。世界3位の海運会社フランスCMA CGMは昨年8月に2万2000TEU級超大型VLCC9隻をすべて中国の造船所に発注した。中国政府は2015年に発表した「中国製造2025」プロジェクトで造船産業を10大重点分野のひとつに選定した。1月には「船舶工業構造調整深化と転換アップグレード加速に向けたアクションプラン」を通じ2020年までに「海洋プラント受注シェア35%、高付加価値船舶受注シェア40%」を目標に掲げた。

韓国産業技術評価管理院が今年初めに発表した「2017年産業技術水準調査」によると、造船海洋分野で韓国と中国の技術格差は1.1年にすぎなかった。価格競争力で押されているところに技術格差まで急速に縮まっており、遠からず中国が世界の船舶受注を独占するという懸念も大きくなっている。英経済誌エコノミストは今年初めに「中国が技術面で予想より速く追い上げており、世界1位を走ってきた韓国の造船会社を脅かしている」という内容の記事を載せたりもしている。