韓経:別々に進む韓米の大統領支持率と経済成長率

  • 2018年7月30日

文在寅(ムン・ジェイン)大統領の国民支持度はトランプ米大統領より2倍も高い。一時は3倍に達したこともある。だが4-6月期の成長率は米国が前四半期比で年率4.1%と韓国の2.9%より約1.5倍高い。1980年の第2次オイルショック、1998年の通貨危機直後のような特殊な状況ではないのに韓国と米国の成長率が逆転したのは異例だ。

さらに懸念されるのは景気循環上で韓国経済は「ダブルディップ」を超え「トリプルディップの兆しが感知されている点だ。7-9月期の成長率を見守らなくてはならないが、ダブルディップは沈滞局面、トリプルディップは長期沈滞局面に進入する可能性が高いことを意味する。このまま行くと韓米間の成長率逆転現象が固定化し、「中進国の罠」にはまるのではないかとの懸念が出ている。

中進国の罠とは2006年に世界銀行が初めて使った用語で、特定国の経済が先進国の敷居で滞る現象をいう。そうした兆候が目につく。韓国経済の対外地位は時間が過ぎるほどに落ちている。2015年に11位まで上がった国内総生産(GDP)規模は昨年1段階下がった。同じ期間に外貨準備高は7位から9位に、株式時価総額も12位から13位に落ちた。

現政権の成長政策の柱である「所得主導(あるいは包容的)成長」を再点検してみなければならないという意見が出るのは当然だ。所得主導成長は相対所得仮説(F.モディリアーニ)に根拠を置いている。この理論によると低所得層の消費性向は高所得層より高く、税率引き上げなどを通じ高所得層の所得を低所得層に移転すれば消費が増加し成長が高くなる。景気浮揚効果が小さい一般硬直性項目を大きな投資性項目に移転させて成長を引き上げる「ペイゴー」と同じ原理で総需要振興策の一環だ。

所得主導成長は大きく2つの面で世界的な成長政策の傾向と距離がある。高成長を謳歌している主要先進国は金融危機以降高成長する国であるほど総需要振興策より総供給重視政策を好んでいる。また、付加価値創出の主役である企業には規模に関係なく税金減免、規制緩和などを通じてインセンティブを提供している。

4-6月期基準で潜在水準比の実際の成長率が最も高い米国経済は第2次大戦以降2番目に長い成長局面を維持している。核心成長動力は企業を重視する政策だ。オバマ政権当時から始めたリショアリング政策をトランプ政権になってからはさらに強化して推進している。リショアリングの核心手段は税金減免と規制緩和だ。特に法人税を35%から21%に企業が確実に体感できるよう大幅に引き下げた。これすらも今年中に20%に追加で引き下げることにした。未来の国富の責任を負う第4次産業関連企業には政府が干渉しない「規制フリーゾーン」を設定し全面的に支援している。

米国企業の不満事項をすぐに受け入れて解消するオンブズマン制度を運用するのも成長促進要因だ。中国など主要貿易相手国の人為的な輸出抑制と輸入中断措置に対しては通貨、関税、さらには先端技術戦争まで辞さない。米国の国益につながらなければ国際機関を脱退し国際規範に従わない。

既存の友好国(欧州、カナダ、韓国など)か、非友好国(中国、北朝鮮など)かに関係なく、米国の利益に合致するかだけをものさしとして貿易赤字のような懸案に対し貿易相手国との関係を持っていく。「きのうの同志がきょうの敵」になりかねないという意味だ。米国企業家の愛国心を自ら呼び起こさせる成長動因だ。

企業がうまくいけば人為的な分配政策を推進しなくても国民は恩恵を得られる。米国政権与党の経済成果と国民の体感景気を評価する経済苦痛指数(失業率+消費者物価上昇率-経済成長率)は6月の場合、第2次大戦以降で最も長い成長局面を謳歌した1990年代より低い水準だ。

世界的な成長政策傾向と米国経済の長期好況核心動因を見ると現政権の成長政策が進むべき方向が捕えられる。世界的な傾向を先導するならばそれにこしたことはないが、「中間者」という独特の地位にある韓国経済は最小限従わなければならない。企業重視、税率引き下げ、第4次産業育成、雇用創出などが該当する。

経済閣僚は柔軟で先制的な思考を持たなければならない。私が主張したと意地を張ったり事前の準備なく「ひとまずやってみよう」という姿勢は禁物だ。政策受け入れ層である国民も、保守か進歩かを分ける必要はなく、現政権の経済政策が正しい方向で枠組みが決まれば積極的に協力する「プロボノパブリコ精神」を発揮してこそ長期沈滞の懸念から抜け出すことができる。