ソウルに神風の映像物…日本歴史認識「無策傍観」?

  • 2015年3月12日

今月10日、韓日中作家3人(ヤンアチ、小泉明朗、スィー・ジョン)の展示「微妙な三角関係」が開かれているソウル西小門(ソソムン)のソウル市立美術館3階展示室の中。薄暗い空間の左側には日本作家・小泉明朗の映像「若き侍の肖像(Portrait of a young samurai、2009)」が流れていた。日章旗をずきんにしてかぶっている日本人演技者が神風(第2次世界大戦の時、爆弾が装着された飛行機を飛ばして自殺攻撃をした日本軍の特攻隊)の出撃を控えた軍人を演じている。

初めはふざけたような感じでカメラの前に立った演技者は、作家の要求に従っていくうちに感情が激昂していく。「(お国のために)死ぬことができる私は幸せな人です」、「このように高潔な目的(自殺攻撃)のために」等、旧日本軍国主義スローガンを叫ぶ。そのうち「私の息子よ、行かないで、どうか母と留まっておくれ」という母親の絶叫を聞くと、感情がこみあげて涙を流す。

9分40秒映像を見て既視感を感じた。「実は私たちも戦争の被害者」という日本側の主張の言葉だ。日本は、自国の歴史教科書や原爆記念館などさまざまなチャネルを通じて米国の空襲と原爆投下で数多くの日本人が命を失ったり被害を受けたという主張を繰り返してきた。自ら戦争を起こし、他の国の人々の命を失わせておいて、自国も被害を受けたという論理は周辺国の共感を買うことができなかった。

小泉の別の映像作品も日本の合理化論理を思い出させた。「捕らわれた言葉(Trapped Words、2014)」には原爆で失明したある老人のインタビューが登場する。彼は死ぬ程熱く、座ることがさえできないほど人でいっぱいになった防空壕での経験を話す。

ネット上で神風展示論議が起きると、市立美術館側は11日、作家の意見をまとめた報道資料を出して釈明した。小泉は「最近、日本の若者の間で歴史に対する知識もなく神風や侍などを英雄視する風土に対して警戒心を持った。これは歴史に対する無知がどれほど危険なものかを呼び覚ますための作業」としながら「この作品は国家イデオロギーに洗脳された一個人の悲劇に光を当てている」と主張した。

引き続き「こんにち、人々は『神風』という単語をイデオロギーの重さと歴史的な背景に対する認識もなく、あまりにも軽く使っている」とし「このような状況がとても心穏やかなものでなく危険だと考える」と付け加えた。

作家の釈明にもかかわらず、今回の展示は引き続き論争が起きるものと思われる。ソウル市民が果たして自分たちの税金によって運営されている美術館で、日本人の歴史観が表現されている作品を共感して楽しむことができるだろうか。

今回の展示の大きな問題は「韓日中3国の文化地形図を探ってみよう」としておきながら、展示場のどこからもその糸口を見つけることができない点だ。ソウル市立美術館のキム・ホンヒ館長(67)は今月10日に開かれた記者懇談会で「今回の展示は歴史の中から微妙な関係を形成した三国関係の進行状況を美術を通じて解説して暗示しようと思った」と説明した。

彼の願いは届かなかったようだ。作家は自分たちの言語で話したいことだけを詠じた。それだけだった。3種類の言語は有機的に結合することも、公明でもなかった。3人の作家の作品をなぜ「微妙な三角関係」というタイトル中で解釈しなければならないのか疑問に感じる。