韓経:元駐英北朝鮮公使「金正恩がベトナム式経済開発?絶対できないでしょう」(1)

  • 2018年7月19日

太永浩元駐英北朝鮮公使は18日、韓国経済新聞とのインタビューで「北朝鮮は決して中国やベトナムを経済発展のロールモデルにしないだろう」と話した。

「金正恩(キム・ジョンウン)が中国やベトナムのように改革・開放を通じて経済発展に出るですって? 絶対にそのようにはできないでしょう」。

太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使(55)は北朝鮮が米国との関係正常化とともに経済成長を成し遂げた「ベトナムの道」を進むことができるかとの質問にこのように話した。ポンペオ米国務長官が北朝鮮に「ベトナムの道」を歩めというメッセージを投げかけたことに対しても「あきれた提案」として可能性を一蹴した。彼は「妻は『韓国に来ていちばん良いことが水道の蛇口をひねるたびに水が出てきて、スイッチをつけるたびに明かりがつくといこと』と話す。信じられないだろうがこれが北朝鮮体制の素顔だ」と強調した。18日に韓国経済新聞本社で会った太元公使がインタビューで最も多くした話は「北朝鮮が変わったという錯覚を捨てるべきだ」だった。

――「金正恩の北朝鮮は過去と違う」というのが専門家らの診断です。

「錯覚です。金正恩(北朝鮮国務委員長)が権力の座から退いたのですか? そうでなければ民主主義的に統一でもされたのですか? 北朝鮮が住民らに外界と疎通できるようにしたのですか? 表に出てきた表面的情勢だけ変わったように見えるだけです」

――北朝鮮は変わっていないということでしょうか。

「北朝鮮のすべての政策は金正恩体制存続のために存在します。それは北朝鮮で憲法よりさらに高く掲げる労働党規約にも明示されています。金王朝は神的な存在でしょう」

――なぜ北朝鮮が改革・開放に出ないと考えるのですか。

「中国とベトナムにはあるが北朝鮮には絶対存在できない3つがあるためです。最初は情報接近の自由です。中国とベトナムではある程度の検閲はあるがインターネット自体を防いだりしません。2番目は移動の自由です。北朝鮮では居住地をむやみに移すことができず、旅行も思いのままにできません。3番目は政治的活動をしない自由です。中国とベトナムでは政治活動をしなくても出世できますが北朝鮮は違います。無条件で党員にならなければなりません。こうした統制社会で改革・開放は不可能です」

――北朝鮮が望む経済開発方式はどのようなものですか。

「観光特区を先に開発し、後から開城(ケソン)工業団地のような断絶的で閉鎖的な形態の工業団地を10カ所ほど作る形態にならないだろうかと思います」

――製造業より観光が優先でしょうか。

「観光を重視する理由は、国際社会の制裁なく個人が自由にお金を使えるためです。観光客がお金を使って行くことにだれが何と言いますか。だから観光業を活性化して外貨稼ぎに出ようとします。元山(ウォンサン)や白頭山(ペクトゥサン)のようなところを観光地として積極的に開発しようとしているのがそうした理由です。まだ米国や欧州のような西側諸国から投資を受けるのは難しいと思います。韓国企業も開城工業団地が閉鎖されて大きな被害を受けたのではないですか。体制リスクはとても大きいです」

――北朝鮮が国際社会の対北朝鮮制裁を恐れる本当の理由は何ですか。

「それを理解するにはまず北朝鮮の商品価格構造を知らなければなりません。北朝鮮では商品に3種類の価格が付けられます。最初は国が定めた価格です。これは有名無実になりました。2番目はチャンマダン(ヤミ市)で取引されるヤミ市価格です。3番目が輸出価格でしょう。問題は北朝鮮では月給だけでは全く生活できないということです。そこでコメや砂糖のような食糧やお金をより多く払う形式でどうにか回っています。こうした『プラスアルファ』を出せる資金の源泉が輸出です。対北朝鮮制裁は輸出の道を塞ぎました」

――体制維持に脅威になるという意味ですね。

「そうです。対北朝鮮制裁は海外にいる北朝鮮労働者も帰還するようにしました。このようになれば民心が揺らぎます。これ以上外貨を稼げないためです。金正恩体制はこれを最悪の状況と考えています。住民を腹いっぱいにできなければ体制が崩壊するということを金正恩も知っています」

――南北経済協力に対しどのように考えますか。

「金正恩体制が維持される状況で経済協力をするのはばらまきにすぎません。南北経済協力を通じて韓国経済が良くなり韓国の若者たちが働き口を得られるというのは幻想です」