韓経:13兆ウォンかけて救済したのに… 大宇造船労組「賃金上げろ」スト準備

  • 2018年7月6日

韓国の造船メーカー「大宇(デウ)造船海洋」の労組がストライキ案を圧倒的な賛成率(93.4%)で可決したことに続き、合法的なストライキができる争議権も確保するなどストライキへの準備を整えた。慶南(キョンナム)地方労働委員会は今月2日、大宇造船労使の賃金・団体交渉に対する争議調停の結果、「調停中止」という決定を下した。労使の立場の違いが大きく調停案を提示できないことから、労組が合法的にストライキできる道が開かれた。労組は、会社が昨年6年ぶりに黒字転換に成功し、2014年以降基本給の引き上げがなかったため賃上げが必要だと主張している。

◆税金で月給をもらいながら

大宇造船の使用側は、2020年までに5兆9000億ウォン(約5837億円)に達する流動性を用意する強力な自救計画案を履行するためには労組の賃上げ要求を受け入れにくいと訴えている。大宇造船は昨年までに資産売却や人件費節減などを通して2兆8000億ウォンを用意した。今年も国内不動産や海外子会社の売却などを通して1兆3000億ウォンを調達しなければならない。使用側が労組側に基本給10%の返納を提示した理由だ。

昨年の「瞬間的黒字」(営業利益7330億ウォン)は政府と債権団が2兆9000億ウォンに達する新規資金を投じたためだというのが造船業界の分析だ。これさえも昨年第4四半期だけを除いてみるとウォン高などの余波で3510億ウォンの営業損失を出した。2016~2017年の「受注絶壁」の後遺症で、昨年と今年の売上が減少しているため、経営正常化に成功したとは見ることはできないという指摘だ。通常、受注以降、実際に建造するまで1年ほどかかる点を勘案する場合、少なくとも来年までは成果の途切れる「春の端境期」を耐えなければならない。

現代重工業とサムスン重工業が有償増資を通じて自主的に生存を模索しているのとは裏腹に、大宇造船は自社のみで資金を調達することが容易でない。産業銀行と輸出入銀行の公的資金に頼らざるをえない構造だ。造船業界関係者は「大宇造船が倒産すれば働き口5万件余りが消えて1300カ所余りに達する協力会社も閉鎖に追い込まれるという懸念から、政府が過度に言いなりになった」とし「労組が働き口を最優先と考える政府の弱点につけ込んで、無理な賃上げを要求している」と表情を曇らせた。

大宇造船労組は先月の組合員投票を通じて最強を誇る金属労組に加入した。経営界はこれまで全国民主労働組合総連盟(民主労総)所属の個別労組だった大宇造船労組が民主労総の産別組織である金属労組をバックに、使用側を圧迫するという宣戦布告をしたと見ている。

◆産業銀行、「強硬対応」警告

大宇造船労組のストライキ準備は大株主である産業銀行(産銀)との合意を破棄したも同然だという指摘もある。大宇造船労組は2015年から3回にわたって13兆7000億ウォンに達する公的資金を受けながら「ストライキなど争議活動をせずに自救計画案に参加する」という誓約書を産業銀行に提出した。莫大な税金でかろうじて回復した大宇造船が自救計画履行が終わる前にストライキをすれば、「モラルハザード(倫理観の欠如)」批判を避けられないというのが業界の見方だ。

産銀関係者は「合法的ストライキでも営業活動に支障が出れば強力な措置を取る可能性がある」と警告した。

自救努力をしている現代重工業とサムスン重工業の賃金団体交渉も難航が予想されている。現代重工業労組は基本給7.9%引き上げと250%以上の成果給支給を要求してストライキに出る態勢だ。同社労組は2014年以降、毎年ストライキをしている。サムスン重工業労使は先週から賃金団体交渉を進めている。同社の労働者協議会と使用側は先立って留保していた2016~2017年賃金団体交渉に今年まで加えた3年分の交渉を一度に行わなければならない。