中AIIB・米THAADの間に挟まった韓国…「パッケージ決定」で行くのか(2)

  • 2015年3月16日

◆THAAD配備の「戦略的曖昧性」を維持

THAADの韓半島配備に関連し、韓国政府は米国側の要請はなかったとし、「戦略的曖昧性」を維持している。朴政権となってから築き上げてきた中国都の関係を念頭に置いた戦略だ。しかし、米国は軍を中心にTHAAD配備のための事前整地作業を急ピッチで進めている。米軍は最近、THAAD配備候補地に京畿道平沢(キョンギド・ピョンテク)と江原道原州(カンウォンド・ウォンジュ)、釜山市機張(プサンシ・キジャン)などを検討している事実を認めた。米国はまた、THAADを有事の際に韓半島に展開する米軍増援戦力に含めていたことが分かった。

THAAD体系はトラックに搭載される発射台や迎撃ミサイル、航空輸送が可能な探知レーダー(AN/TPT-2)、コミュニケーションおよびデータ管理の役割を担う射撃統制システムなど4部品で構成されている。米国政府は現在6門のTHAAD砲台の導入契約を締結しており、このうち2門は米本土に、1門はグアムにそれぞれ配備している。

THAADの韓半島配備は、1000発前後になると推定されている北朝鮮ミサイルから韓国を守るためのものとされているが、中国は強くこれに反発している。AN/TPY-2レーダーシステムの探知半径が1800キロに達していて、北朝鮮だけでなく中国東部地域の軍事的な動きも監視できるというのが中国側が反発している主な理由だ。

これに対して米国は、AN/TPY-2レーダーシステムはミサイルを発射する地点でなく落ちる軌跡を追跡するため探知範囲を600~900キロに狭めるほかなく、中国の監視は不可能だとして反論している。

費用問題も論争の中心にある。砲台1門の設置に1兆ウォン(約1100億円)以上がかかる。配備が決定しても、費用を韓国と米国のどちら側で負担しなければならないのかが争点になる見通しだ。

■THAAD

高高度ミサイル防衛体系。米国の軍事基地を攻撃するミサイルを撃墜する目的でロッキード・マーティン社が開発した空中防御システムだ。高度40~150キロで秒速約2.5キロで飛んでくるミサイルを迎撃する。地上配備移動型で、1門の砲台導入費用は1兆ウォン以上となる。

■AIIB

アジアインフラ投資銀行。習近平中国国家主席が2013年10月にアジア開発途上国のインフラ構築を目標に提案し、昨年10月500億ドル規模で公式に発足した。米国、日本主導の世界銀行やアジア開発銀行(ADB)等を牽制しようとする性格が強い。合計21カ国が参加している。