韓経:【現場から】米朝会談「陰の勝者」はシンガポール

  • 2018年6月14日

12日のトランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の「世紀の会談」には「陰の功労者」があった。シンガポールだ。

シンガポールは今回の米朝首脳会談で金額に換算できない利益を得たとの評価を受けている。2015年に習近平中国国家主席と当時の馬英九台湾総統による初の両岸首脳会談誘致に続く世界的イベントの舞台になったためだ。香港紙サウスチャイナモーニングポストはシンガポールを「アジアのジュネーブ」と評した。1992年に米国と北朝鮮がスイスのジュネーブで導出した合意で第1次北朝鮮核危機を克服したのに例えたものだ。

シンガポールのリー・シェンロン首相は米朝首脳会談にかかる2000万シンガポールドル(約16億5185万円)の費用を負担すると明らかにした。だが年間約900件の国際会議を開くシンガポールではこの程度の支援がもたらす広告効果を十分に考慮したというのが専門家らの分析だ。シンガポールが毎年開く自動車レース大会のフォーミュラワン(F1)にもこれより7倍多い費用がかかる。

シンガポール政府はF1大会の際にプレスセンターとして使われる3階建ての建物を3000人の各国取材陣に向け改修した。こうして開設されたメディアセンターでは記者らにただ取材場所を支援しただけではなかった。1階ではシンガポール伝統料理と自国ブランドの食品が提供された。2~3階ではシンガポールの代表ニュースチャンネルであるチャンネルニュースアジアが24時間生放送された。シンガポールで発行部数1位のザ・ストレーツタイムズも置かれた。メディアセンターは巨大な「シンガポール広告ステージ」だった。

トランプ大統領の宿泊先だったシャングリラホテルと金委員長が泊まったセントレジスホテルはすでに予約が急増し、今月の宿泊料金は普段の2~3倍に上がったという。ホテル関係者は「北朝鮮の最高指導者が滞在し、施設とセキュリティなどで事実上最高のホテルという公認を受けることになった」と話した。

シンガポール政府関係者は「金正恩委員長が経済開発のモデルとしてシンガポールを参考にしたいとの意向を明らかにした点も国のイメージを大きく引き上げるのに寄与すると期待される」と話した。

イ・ミア/政治部記者