韓経:【社説】雇用「地獄」を「天国」に変えた日本…韓国はなぜできないのか

  • 2018年5月30日

事実上完全雇用に達した日本と、「雇用創出」が空回りしている韓国の経済政策の比較が最近増えている。企業が人材確保に没頭する日本の「採用戦争」と青年たちが針の穴をくぐるような入社競争を行う韓国の「就職戦争」を総合比較した29日付韓国経済新聞の深層報道はそうした比較の完結版だ。

今年日本の大卒就職率は98%、体感失業率は0%に到達した。求職者1人当たり求人数を示す「有効求人倍率」は3月基準1.59倍だ。0.6倍の韓国と比較すると「求職者天国」だ。23%を上回る青年層の体感失業率だけ見ても現在の韓国の雇用創出能力は日本と比較すること自体がきまり悪い。

5~6年前だけでも全くこうではなかった。日本は1990年代のいわゆる「バブル経済」以降、景気低迷期が長期化した上に、2008年の金融危機、2011年の東日本大震災などを経て長く厳しい時期を送った。日本の青年の間で「ロスジェネ」「就職浪人」のような自嘲的な新造語が出回ったほどだ。2013年の有効求人倍率が0.88倍だった日本が「就職天国」でがらりと変わることになった原因に注目する必要がある。

雇用市場には経済・非経済のさまざまな要因が総合的に作用する。企業の生産性、労働組合の活性度と労使関係、雇用関連法と制度などひとつひとつが意味ある変数だ。だがいま韓日間の比較では雇用創出能力を中心にした政府政策にさらに重点を置かなくてはならない。金融緩和、減税、規制改革を中心に企業のやる気を引き出し、市場機能活性化に注力した日本の「アベノミクス」と韓国の「経済民主化」「政府主導の雇用創出と人為的所得拡大」政策はそれだけ対照的だ。雇用と就職率はそのような政策にともなう冷静な結果であり成績表だ。もちろん日本では70代になった「団塊世代」(1946~1949年に生まれたベビーブーマー)など高齢者が大挙リタイアしたという点も無視することはできない要因だ。

それでも正規職と非正規職の中間ほどの「限定正社員制」を導入し、在宅勤務・フレックス勤務の活性化で企業が耐えられる雇用から創出してきた日本と、政府が乗り出して賃金から引き上げ正規職化を圧迫する韓国は根本方向が違う。

日本は雇用の量の問題を解決し質を悩む好循環社会に進んでいる。「必要量」を供給できない韓国よりはるかに先を行っている。もちろん低い初任給など日本企業の賃金体系に対しては多様な解釈と評価が可能だ。だが大企業と中小企業間の深刻な格差、公共部門に集まる青年たちの偏りのような後進的で構造的な問題点はない。韓国では「資本所得の二極化」より「賃金所得の二極化」が深刻に進んでおり、労働界層内の格差も普通の問題ではない。

こうした状況でも韓国政府は最低賃金など一連の雇用懸案で労働界最上層の既得権を打破することができず、民間の良質の雇用創出を自ら妨げている。企業の役割を度外視したまま官製雇用創出にすがり続けるならば結果は見るまでもない。韓国政府は間違って捉えた方向を固守しており、国会は傍観者になった。韓国の青年たちが隣国の有り余る雇用を得るために「生存用日本語」の勉強にすがる現実を見守らなければならないのか。