韓経:【社説】北に翻弄された韓国、「寛容な措置」を待つのか

  • 2018年5月23日

韓国記者団の北朝鮮・豊渓里(プンゲリ)核実験場廃棄行事取材が失敗に終わった。北朝鮮は12日に「23~25日に豊渓里核実験場廃棄行事を進める」として、韓国と米国、英国、中国、ロシアのメディアに取材を許容すると明らかにしたが、韓国記者団にはビザを出さなかった。北朝鮮の立場変化を期待して中国・北京に行った取材記者団は無駄足を踏むことになった。

北朝鮮の移り気は新しいことではない。昨年までも核・ミサイル挑発をやめなかった北朝鮮が今年に入り突然対南対話攻勢をかけたことからがそうだ。「4・27南北首脳会談」を前後して韓半島(朝鮮半島)の平和と民族和解に向け何でも聞いてくれるかのようにありとあらゆる甘言利説を吐き出した。そのような北朝鮮が突然「いつそうしたのか」というスタイルの以前の姿に戻った。一方的な南北高位級会談取り消し、脱北食堂女性従業員の送還要求など常識に外れた理屈と無礼を働かせながら大韓民国を揺さぶりまくっている。

「豊渓里事件」はそうした渦中で起きたものだが、その中に含まれた傲慢さは大韓民国の忍耐心をテストする水準に達した。豊渓里核実験場を爆破廃棄する場面を韓国側にも取材できるようにすると先に提案していたのは北朝鮮政府だった。それに基づいて準備してきた報道機関の取材陣に何の説明もなく北朝鮮入国をシャットアウトした行為は単に報道機関だけでなく、大韓民国全体をもてあそんだものといっても過言ではない。

わずか前に南北首脳会談を前後して開通した最高指導者間の直通電話と実務部署間の通信線はそれこそ、「アピールするためのショー」だったことが明らかになった。北朝鮮が大韓民国政府とメディアに向け投げかけようとする「豊渓里メッセージ」が何であれ、言いたいことがあるならば通信ラインを通じていくらでも明らかにできた。

それでも韓米合同軍事演習と脱北者による北朝鮮の実状暴露などに対する不満を機関紙での報道を通じて並べ立てたこと以外に通信線には触れることもなかった。大韓民国を自分たちの好みに合わせて手なずけようという本音が明らかに読み取れる。北の政権に融和的なジェスチャーを取ってきた文在寅(ムン・ジェイン)政権の「善意」をこのような形の無礼と横暴で返すならば国際社会で自らの立場をさらに狭めることになるだけだ。

重要なのは韓国側の対応姿勢だ。北朝鮮の低質な行動に振り回されてはならないだろう。豊渓里行事に対し北朝鮮政権が犯した無礼と横暴に対して納得できる説明を要求し謝罪を受けなければならない。北朝鮮のこれまでの振る舞いから見ると、堂々と対応しなければ大韓民国をさらに見くびり、豊渓里以上の横暴をやめないことは明らかだ。北朝鮮金正恩(キム・ジョンウン)の「寛容な措置」を待つ身になってはならない。