韓経:韓国の公務員は大韓航空だけ乗る?…国籍機搭乗制度廃止めぐり議論

  • 2018年5月9日

「大韓航空と指定されている公務員国籍機搭乗制度を廃止してください」

「公務員がなぜ高い運賃を出して国民の税金を浪費するのですか?」

青瓦台(チョンワデ、大統領府)ホームページの国民請願掲示板が突然公務員の国籍機搭乗制度に対する論争で熱を帯びている。「政府運送依頼(GTR:government transportation request)」と呼ばれるこの制度は公務員が海外出張に行く際に国籍航空機を利用するようにするものだ。大韓航空が1980年の制度導入当時から韓国政府と契約を結び、約40年にわたり年間300億~400億ウォン規模のこの市場を独占している。

この制度が議論になっているのは、いわゆる「趙顕ミン(チョ・ヒョンミン)事態」と関連がある。趙顕ミン前大韓航空広告担当専務の「水かけパワハラ」が社会問題になってから飛び火が公務員国籍機搭乗制度に広がった。政府が公務員出張に国籍機利用を義務化したことは一種の大韓航空に対する優遇に該当し廃止すべきというのが議論の核心だ。

◇年間5万人が国籍機利用

GTR制度は国籍航空会社を育成しようという趣旨で導入された。大韓航空が韓国政府と契約を結んだ後、1990年にアシアナ航空が追加で契約し2社がGTR航空券を販売している。販売実績は大韓航空が圧倒的に多い。韓国交通研究院によると2010~2014年の大韓航空のGTR航空券販売額は主要10大路線基準で1797億ウォン、利用公務員は21万2574人で集計された。アシアナ航空は販売額425億ウォン、利用公務員は3万6056人にとどまった。両社合わせて年間に公務員5万人ほどが国籍機を利用して海外出張に行っていることになる。

GTR契約は政府や航空会社が解約の意思を明らかにしなければ3年単位で自動延長される。大韓航空はこれまで総帥一家の「ナッツリターン」や不当なグループ内部取引などをめぐる議論にもかかわらず毎回自動延長を受けてきた。

だがGTR航空券は価格が過度に高く予算浪費という指摘が絶えなかった。イ・ヨンホ議員が昨年人事革新処から提出させた資料によると、大韓航空の閑散期のエコノミークラス基準の仁川(インチョン)~ニューヨーク間のGTR航空券購入価格は302万600ウォンで、一般航空券111万1200ウォンの3倍水準だった。

公務員は運賃が安い他の航空会社を選択する場合にはGTRを利用しなくても良い。しかし運賃が安いという証明を公務員本人がしなければならない煩わしさからほとんどがGTRを好んでいる。ある高位公務員は「格安航空会社(LCC)利用を促進する方向に制度を改善するだけでも予算節減効果が大きいだろう」と話した。

◇政府が制度補完に着手

GTR制度に対する議論が大きくなったことから韓国政府は改善策の検討に入った。企画財政部と国土交通部、人事処はGTR制度改善に向けた協議を行っていることが確認された。GTR関連予算権を握る企画財政部は「水かけパワハラ事件」にともなう世論の悪化と予算浪費問題から廃止を主張している。航空関連主務官庁である国土交通部も廃止を検討する必要があるとの意見を出している。

これに対しGTR制度主務官庁である人事処は、「廃止には慎重でなければならない」と主張している。GTRは最大30%水準のキャンセル手数料がないだけに高いとみることはできず、航空会社との協約で座席確保や予約変更が容易という理由からだ。これら官庁はどんな方法ででも制度改善が必要だという点には同意している。

国土交通部は大韓航空とアシアナ航空のほかにLCCなど他の国際線航空会社や旅行会社をGTRに参加させる案を提案した。人事処は企画財政部と国土交通部の意見を検討してGTR再契約時点である11月までに改善案を確定することにした。