韓経:【コラム】レアアース覇権=韓国

  • 2018年4月13日

【コラム】レアアース覇権

1787年、スウェーデン・ストックホルム付近にある村の草山から見慣れない鉱石が見つかった。2年後、フィンランドの科学者がこの鉱石から新しい酸化物「イットリウム」の分離に成功した。研究を繰り返した科学者は1910年までに合計17元素を発見した。

レアアース(稀土類)は化学的性質が似ているこれら17元素を総称した言葉だ。「土の中にほとんどない物質(rare earth elements)」という英語を「稀土」という日本語で翻訳した名称を、韓国でもそのまま使っている。

レアアースは、草創期にはレンズ練磨用に使われた。1980年代、日本がこれを使って永久磁石を開発した後、国際的に注目され始めた。その後、半導体やスマートフォンなどのIT(情報技術)産業をはじめとして、カメラ・コンピュータなどの電子製品、LED(発光ダイオード)などの蛍光体、光ファイバー産業に使われるようになってその価値が高まった。電気自動車一台に使われているレアアースは1キロに達する。

「土」から出て「宝石」になったレアアースは石油・天然ガスに続き「資源覇権」の主役になった。問題は採掘・加工過程で人体と自然に及ぼす悪影響だ。このため、1940~1950年代の主要生産国だったインドやブラジル、南アフリカは生産を止めた。米国も環境問題により工場を閉鎖した。

この隙に分け入って急浮上したのが中国だ。相対的に環境基準が緩い中国は、一方的な採掘に出て世界レアアース生産の90%以上を占有している。ときには「資源武器」として悪用したりもする。2010年に領有権紛争地域である尖閣諸島(中国名・釣魚島)海域で日本と衝突した時、「レアアース供給中止」というカードで日本を圧迫した。

この時大きな苦労を強いられた日本は、レアアースの輸入先を多角化させながら本格的な探査に着手した。先日、日本は本土から東に1800キロ離れた南鳥島周辺の海底から1600万トンのレアアースを発見したと発表した。全世界が約700年間使用できる量だ。海底レアアースを採掘・加工する新技術まで開発したという。

中国独占体制はまもなく崩れる見通しだ。レアアース価格も落ちることになった。世界のレアアース埋蔵量は意外に多い。ロシア(19%)、米国(13%)、オーストラリア(5%)など3カ国の賦存量を合算しただけで中国(36%)を越える。日本の加勢に新技術効果まで重なれば市場の地殻変動は避けられない。

『The Ultimate Resource(究極の資源)』を著した米国経済学者ジュリアン・サイモン氏の言葉のように、真の資源は天然資源ではなく科学技術で、生産過程を革新して代替材まで開発する人的資源だ。石器・青銅器時代が終わったのは製錬・製鉄技術のためだった。「中東に石油があるなら、我々にはレアアースがある」(トウ小平)という中国の近視眼的な覇権戦略は無駄足を踏んだわけだ。

コ・ドゥヒョン/論説委員