韓経:【コラム】数多くの「韓国GM」たち

  • 2018年2月14日

韓国GMが再び崖っぷちに立たされた。米ゼネラルモーターズ(GM)が大宇自動車を買収して経営し始めた2002年以降で最大の危機だ。

GM本社はきのう主力事業所のひとつである群山(クンサン)工場を5月末までに閉鎖すると発表した。従業員2000人に対する構造調整手続きも進めるとした。「独自に事業を運営できるよう措置を取ること」というメアリー・バーラ会長の発言を契機に「韓国GM撤退説」が再びふくらんでから1週間ぶりだ。

韓国GMは仁川富平(インチョン・プピョン)と慶尚南道昌原(キョンサンナムド・チャンウォン)、全羅北道(チョンラブクド)群山、忠清南道保寧(チュンチョンナムド・ポリョン)の4カ所の事業所で1万6000人を直接雇用している。3000社を超える協力企業を含めば雇用は30万件に達する。GM本社が韓国GMの構造調整をどれだけ深く強く推進するのかいまは予断しにくい。オーストラリアのように完全撤退するならば自動車部品産業の生態系まで揺らぐとの懸念が出ている。

◇慢性病になった「高コスト・低効率」

2002年に旧大宇自動車を買収してスタートした韓国GMは16年間事業所の競争力を高めるのに力を注いだ。「高コスト・低効率構造」の打破は韓国GMの最優先課題だった。しかしこれといった解決策を見つけることはできなかった。

韓国GMの輸出は販売不振のため2013年の63万台から2017年に39万台近くまで急減した。特に「クルーズ」などを生産する群山工場の生産は2010年の23万台から昨年は2万3000台に急減し、稼動率は20%にとどまった。2014~2017年の4年間の累積純損失が3兆ウォンに迫るほど経営収支は悪化の一途だった。昨年完全資本割れに陥り銀行から資金を借り入れることもできなくなった。

それでも強硬労組は高賃金を要求し、従業員の年俸は上がり続けた。1人当たり平均年俸は2013年の7300万ウォンから2017年には8700万ウォンと20%近く上がった。韓国GM発足時と比較すると15年間に2.5倍上昇した。2013~2016年には毎年1000万ウォンを超える成果給を支払った。

もちろんGM本社側が韓国GMの競争力低下に一役買ったという批判もなくはない。運営資金を貸して利子商売をしたとか、部品など原材料を過度に高く売ったという、いわゆる「移転価格」議論は細かくチェックしてみる必要がある。

◇競争力失えば雇用もない

韓国GMの危機の兆候はかなり以前から現れていた。高コスト構造による競争力低下は韓国GMだけの問題でもない。低い生産性と高い人件費負担は現代・起亜自動車を含む韓国の自動車メーカーが共通して抱えている慢性病だ。雇用柔軟性の確保も現実的に不可能だ。既得権勢力になった強硬労組のかたくなな要求に会社が言いなりになり続けた結果だ。

売り上げ比の賃金の割合を見ると韓国の自動車メーカーは平均12.2%(2016年)で日本のトヨタ(7.8%)とドイツのフォルクスワーゲン(9.5%)より高い。これに対し自動車1台を生産するのにかかる時間は韓国が平均26.8時間(2015年)で、トヨタの24.1時間より2時間以上長い。

韓国は昨年10大自動車生産国で唯一2年連続で自国内生産が減った。411万4913台で世界6位の生産国の座は守ったが、7位のメキシコとの格差は4万台水準まで縮んだ。高コスト・低効率構造により自動車業種の雇用が持続的に脅威を受けているという話だ。

危機の兆候が自動車企業にだけ限定されたものではない。大宇造船、大宇建設、クムホタイヤなど長期構造調整状態である企業だけでなく、電子、鉄鋼、化学などの企業に韓国GMの危機は「他人事」ではない。経営環境変化に先制して対処できなければいつでも淘汰される。「第2、第3の韓国GM」は遠くない。