韓経:ベール脱いだ韓国型試験ロケット…「燃焼試験だけで62回、10月に打ち上げ」

  • 2018年2月12日

韓国航空宇宙研究院と韓国航空宇宙産業関係者らが8日に全羅南道高興の羅老宇宙センターロケット組み立て棟で韓国型試験ロケット認証モデル(QM)試験を控えロケットを点検している。枠内は75トン液体エンジンと8トンほどの重量のペイロード部分が完全に結びついた姿。(写真=韓国航空宇宙研究院)

8日、全羅南道高興(チョンラナムド・コフン)の羅老(ナロ)宇宙センターロケット組み立て棟。建物入口のエアブースでほこりをはらって中に入ると白いガウンと作業服を着たエンジニアがあちこちに集まって作業をしていた。サッカーコートほどの広さがある巨大な作業場の一方にどっしりとした白いロケットが姿を表わした。韓国型ロケットの組み立てを担当する韓国航空宇宙産業(KAI)関係者らが黄色いはしごに上がりロケット胴体の開口部を通じ内部を見回した。このロケットは韓国型試験ロケットの認証用(QM)モデルだ。韓国航空宇宙研究院ロケットシステム総合チームのイ・チャンベ責任研究員は「言葉は認証用だが打ち上げに使われる飛行モデル(FM)とまったく同じだ。QMを通じて収集した情報で試験ロケットの性能を最終検証することになる」と話した。10月に空へ向かう飛行モデルも作業場の片側で組み立てを待っていた。韓国型試験ロケットの姿が公開されたのは今回が初めてだ。

◇7番目のエンジン載せて空へ

試験ロケットは2021年に2度打ち上げる韓国型ロケット(KSLV-2)に使われる75トンの液体エンジンをテストする目的だけで開発された。75トン液体エンジンは韓国が独自に開発した初めての宇宙ロケット用ロケットエンジンだ。

韓国は3回の挑戦の末に2013年に羅老号打ち上げに成功したがロケットエンジンはロシアのエンジンを使った。韓国が宇宙ロケットを開発するには独自のエンジン技術を確保しなければならないという指摘を受け国産液体エンジン開発に着手した。一部では今年の試験ロケット打ち上げが韓国のロケット技術の基礎力を計る初めての舞台になるだろうという分析が出ている。

試験ロケットはエンジン性能検証にだけ集中するため宇宙には上がらない。宇宙軌道より低い177キロメートルの高度に打ち上げられて400キロメートル飛行する予定だ。75トン液体エンジンが宇宙用ロケットエンジンと認められるには134~145秒間に目標とした推力を安定的に出さなければならない。航空宇宙研究院は2016年5月に初めて75トンエンジンの燃焼試験に着手してから9基の液体エンジンを開発し、62回・4342秒の燃焼試験をした。爆発直前まで行ったエンジンもあったが結果は概ね成功と評価される。これらエンジンには1G、2Gのような名前が付けられる。1は最初、Gは地上用モデルという意だ。10月に打ち上げられる試験ロケットには10回以上の燃焼試験で安定した性能が検証された7Gエンジンが入る。チョ・グァンレ元航空宇宙研究院長は「何回も試験を通じて不完全燃焼問題を解決した結果、7G~9Gエンジンからは構造をこれ以上改善する必要がなくなった」と話した。

◇独自の宇宙打ち上げ能力検証

羅老宇宙センターも新しい姿に生まれ変わっている。2013年に羅老号を打ち上げた発射台は試験ロケットのために改修した。た。航空宇宙研究院カン・ソンインル発射台チーム長は「2016年11月から大々的な改造に入り今月末には準備が終わる。10月の打ち上げだけを待っている」とした。試験ロケット発射台のそばでは大規模土木工事が進められている。3年後に韓国型ロケットを打ち上げる新たな発射台を作る工事だ。発射台の地下にはロケット燃料に使われる推進剤をロケットに注入しロケットと各種信号をやりとりする装備が設置された大小60の部屋がある。これらの部屋には超低温と超高気圧に耐える技術が使われた。発射場には北朝鮮平安北道(ピョンアンブクド)の東倉里(トンチャンリ)発射場のように高さ45メートルの巨大な発射タワーも設置される。羅老号と試験ロケットはエレクターという装備で垂直に立てた後に打ち上げる方式だったが、韓国型ロケットは固定型発射タワーから打ち上げる。

発射場の真下に入った推進機関システム試験設備も一層忙しくなった。この設備では3月中旬に試験ロケット認証モデルの最初の燃焼試験を控え準備の最中だ。75トン級エンジン4基をまとめて作る300トン級韓国型ロケット1段ロケットのテストも可能だ。ロケット推進機関システムチーム長のチョ・ギジュ氏は「エンジン技術が発展すればはるかに強力な1000トン級宇宙ロケットもテストできる」と話す。航空宇宙研究院は75トン級エンジン技術を確保できればこれより推進力が強い90トン級エンジンや、米国とロシアでも技術力を確保できていない多段燃焼エンジン開発に参入することを検討している。

◇エンジン開発は1度も歩いたことのない道

科学技術情報通信部は5日に「第3次宇宙開発振興基本計画」を出し韓国型ロケットを2019年と2020年の各1回から2021年に2回打ち上げることに計画を変更した。韓国型ロケット推進剤タンクで不良品が発生するなど開発に影響が出ており打ち上げ日程を遅らせたものだ。エンジンの信頼性をさらに確保しなければならず、75トンエンジン4基をまとめるクラスターリングをはじめ多くの挑戦課題も残っている。

これに対し韓国の宇宙開発が海外の民間宇宙開発より大きく遅れているのではないかという見方もある。チョ元院長は「スペースXも米航空宇宙局が推進した商業軌道運送サービス(COTS)支援事業を通じてファルコン9を開発した。液体エンジンはだれも教えてくれない技術であり、それだけ1度も歩いたことのない道を歩く厳しい過程を体験してこそ独自の能力を確保できる」と話した。