韓経:韓国政府の支援「ゼロ」…基礎研究すら中断の危機

  • 2018年2月5日

KIST研究陣が公開した無線量子暗号通信装備である量子鍵分配(QKD)装置。(写真=KIST)

中国はハッキングが不可能な量子暗号通信を利用して7600キロメートルに達する大陸間通信に成功したと先月に公開した。2016年に世界で初めて量子暗号通信実験衛星「墨子号」を打ち上げたのに続き、昨年には1200キロメートルの距離の交信に成功するなど段階的に技術を引き上げる「量子崛起」にスピードを出している。韓国でも初歩段階だが無線量子暗号通信実験が行われた事実が確認された。韓国科学技術研究院(KIST)量子情報研究団は昨年12月に京畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)の韓国ナノ技術院で50メートル離れた送信機と受信機の間で100キロビットの速度で量子の一種である光子信号をやりとりするのに成功した。韓国国内ではSKテレコムが112キロメートルの距離で量子暗号通信を成功させたことがある。当時の実験は光通信網を利用したもので、無線通信方式で成功したのは今回が初めてだ。

◇無線量子通信、第1歩踏み出してすぐ「中断危機」

量子暗号通信は光子(量子の一種)の特性を利用して暗号を解く秘密鍵情報を載せて送る技術だ。だが光ファイバーを利用した有線通信方式では平均100キロメートルまでしか信号を伝達できない。さらに遠方と交信するにはリピーター(中継機)や人工衛星を利用しなければならない。中国をはじめ米国と日本は安保とセキュリティ目的で無線量子暗号通信に莫大な資金を投資している。だが韓国では無線量子暗号通信分野に今年の新規研究費が1ウォンも配分されなかった。韓国政府が「量子情報通信中長期技術開発事業」の予備妥当性調査をしながら「経済性がない」という理由で事業を縮小した上に検討まで遅れ今年の予算配分を受けられなかったためだ。無線量子暗号通信を先取りするには動く車両や航空機と交信する試験をはじめ、衛星や天文台を利用した研究が必要だが追加計画は決まっていない。

◇ハッキング不可能な「夢の通信技術」

量子暗号通信がハッキングから自由なのは複製が不可能な量子の特性のおかげだ。一般光通信では数億個の光子のうち一部だけ奪取(ハッキング)しても情報を取り出すことができる。これに対し量子暗号通信は光子1個に情報を含んでおり、中間で光子をこっそりと奪取しても受信者はすぐに暗号が壊れた事実を知ることができる。量子の「重ね合わせ」という独特の性質のためだ。量子はデジタルコンピュータのように0と1という情報のほかにも2種類の性質がある情報を持たせることができる。量子暗号通信では光が一定の方向に振動する現象である「偏光」をよく利用する。暗号にするのに情報を入れた光子を垂直と水平方向のほかにも2つの性質が重なった対角線方向に振動するよう無作為に放ち初期偏光と同じ性質の光子が受信されたのか確認する方式だ。KIST量子情報研究団のハン・サンウク専任研究員は「さまざまな方向を持つ量子状態を中間で奪取して測定する瞬間にひとつの値で固定され受信部に到着する光子の25%はまったくとんでもない方向を持つエラー信号となる。こうした信号を持つ光子が観測されればハッキングされたという事実を確認できる」と話した。

量子暗号時代が開かれるには送信者と受信者間の1対1だけ可能な通信方式から抜け出しインターネットのように多者間で使う技術を確保しチップを小型化しなければならないという宿題を解決しなければならない。車や航空機、衛星など長距離手段との連係も推進しなければならない。

◇中国は量子通信最大投資国

量子暗号通信の最大投資国は中国だ。中国は量子通信衛星を追加で打ち上げ世界を連結するプロジェクトを推進している。KISTによると量子暗号通信を7段階で区分すると中国は最も先を行く6段階水準だが韓国は装備開発で試験に入る4段階進入水準にとどまっている。米国も国防とサイバーセキュリティを目的に秘密裏に量子暗号通信技術を開発している。2004年にオーストリアのウィーン市庁とクレディタンシュタルト銀行の間で最初に量子暗号通信を利用した資金振替を試演した。2007年にはスイスで地方選挙の投票結果を首都ジュネーブに伝送するのに活用されたりもした。