韓経:サムスン電子「1日SCM革命」…製造企業で世界唯一

  • 2018年1月29日

サムスン電子が無線事業部工場の現場需要対応期間を従来の3日から1日に減らした。各国の通信会社と流通会社がスマートフォン需要を減らしたり増やしたりすれば翌日の生産にすぐ反映できるという意味だ。部品調達から在庫処理に至る製品の全過程を1日単位で決定するという点で会社の管理能力を極限まで引き上げたのだ。

サムスンはこうした管理システムを「供給ネットワーク管理(SCM)1日決定体制」と呼んでいる。決定期間が短くなるほど生産性向上と費用削減を期待できる。

電子業界によるとサムスン電子無線事業部は昨年から「1日決定体制」を導入し始め、現在ではほぼすべての主力製品に適用しているという。

現在テレビと生活家電は「2日決定体制」を確立している。主に中長期部品需要に対応する半導体事業部門はこうした短期決定体制を施行していない。

サムスン電子が主力スマートフォンに超短期供給ネットワーク管理(SCM)革新を断行したのは世界の消費財の中で製品寿命が最も短いのが携帯電話であるためだ。2008年に導入した3日決定体制は10年ぶりに1日に短縮された。

◇マクドナルドとどう違うのか

生産量が需要より多ければ売って残った製品が販売されるまでかかる期間分だけ生産にかかったお金が回収できず、これを積み上げておくための倉庫と物流費用も払わなければならない。スマートフォンとテレビなど電子製品は時間が過ぎるほど販売価格が落ちる属性があり費用負担はますます大きくなることになっている。

だがだれでも1日決定体制を導入できるのではない。市場の需要予測、工場の生産と部品調達スピードなど会社全体の管理能力が最適化されていなければならない。該当システム全般を管理するSCMが「総合芸術」と呼ばれる理由だ。

サムスン電子は2000年代初期からSCM最適化のために努力し現在では世界でSCMが最も強い企業のひとつに選ばれている。市場調査会社のガートナーが世界500大企業のSCMを評価し昨年5月に発表した「SCMトップ25」によると、サムスン電子の2016年の在庫回転比率は15.1倍で評価対象企業のうち2位となった。在庫回転比率とは全製品販売台数を平均在庫量で割ったもので、数値が高いほど需要にともなう供給調整が速かったことを意味する。1位は米国のマクドナルドだが、製品材料の数が少なく単純でサムスン電子のような企業とは同一線上で比較しにくい。

仁荷(インハ)大学アジア太平洋物流学部のミン・ジョンウン教授は「SCMの概念が確立されたのが1990年代半ばであることを考慮すれば、サムスン電子はSCMの最先導企業。スマートフォンだけでも数百種類のモデルを生産するサムスン電子が1日生産体制を構築したというのは製造業者としてSCM効率性を極限まで引き上げたという意味」と説明した。

◇革新の秘訣は

サムスン電子は決定体制期間を減らすため協力企業を中心とした部品供給生態系から手を加えた。生産量が毎日変わる中で部品が多く供給されれば在庫部品管理費が増え、不足すれば必要なだけ製品を製造できないためだ。サムスン電子はまず通信会社と流通会社ごとに異なるケースと製品包装箱を30分~1時間単位で供給できるシステムを構築した。

会社関係者は「特定モデルの需要が当日朝変わるのを知った時点から早ければ30分で該当部品を供給されるように措置した」話した。また、生産に相応の期間が必要で時間単位で供給量を調節できないモバイルアプリケーションプロセッサ(AP)とカメラモジュールなど核心部品はさまざまなモデルで共通して使えるよう汎用化したという。特定のスマートフォンに使われるAP需要が突然減っても他のモデルに使用が可能で在庫負担を減らせるということだ。

ビッグデータ分析などを基にシステム的意志決定がなされたのもSCM革新を可能にした。サムスン電子は特定国で特定モデルの需要が突然増えれば韓国と中国、インド、ベトナム、ブラジルの5カ所のスマートフォン工場のうちどこで生産量を増やしてどのルートで製品を供給するのかを自動で決めている。

最後にサムスン電子はモジュール化拡大を通じて生産時間を短縮した。工場当たり生産効率性が高まり予想外に製品需要を工場が簡単に合わせられるようになった。サムスン電子のスマートフォンのうち一部モデルはまだ2日決定体制で生産されているのもモジュール化にともなう生産効率性向上にモデルごとの偏差があるためだ。