韓経:「規制ゼロ」の中国vs「規制地獄」の韓国

  • 2018年1月23日

世界の商業用ドローン市場の70%を掌握しているDJI。東南アジアとインドを「接収」したのに続き、ウーバーの本拠地である米国も脅かしている配車サービスの滴滴出行。オンラインフィンテック市場で世界1位のアントフィナンシャル。中国の革新成長を象徴するユニコーン(企業価値1兆ウォン以上の非上場企業)3人衆だ。これらの成功ストーリーには深センの創業家は感じることのなない、韓国の創業家が唯一切実に感じる共通点がある。創業初期に政府規制を受けなかったという点だ。

17日に韓国経済新聞の産学メディア特別取材団が訪れた深センの電子商店街の華強北。超高速ドローンが高層ビルの間で曲芸飛行をしていた。「ここは飛行禁止区域が特にないようです」。電波法や航空法などでソウルのあちこちが飛行禁止区域となっている韓国とは違う世界だった。DJIの深セン本社で会った同社関係者は「創業からこれまで規制で苦労した記憶はない」と話す。中国は昨年6月にドローン所有登録制を施行した。

中国版ウーバーの滴滴出行が2014年に配車アプリサービスを本格化すると、タクシードライバーは激しく反発した。しかし中国政府は慢性的なタクシー不足問題を解決できるとみて合法化の道を開いた。ウーバーが韓国で違法議論に巻き込まれた末に撤退したのとは対照的だ。

オンラインで個人間(P2P)貸し付けを仲介するアントフィナンシャルも事業初期には銀行業界の反発に直面したが、中国政府は「既得権」の側に立たずP2Pの手を上げた。新産業が注目を集めると政府各官庁が「これはうちの領域」としながら先を争って関連規定と法律を作る韓国の風土とは完全に異なる。

特別取材団に合流したP2P業者8パーセントのイ・ヒョジン代表は、「政府のあらゆる規制に気を遣わずにサービスと顧客にだけ集中できる中国の創業家がうらやましいばかりだ」と話した。「社会主義国の中国で可能なことが韓国で不可能ならば正しいことだろうか」と政府の規制システムに直撃弾を飛ばした大韓商工会議所の朴容晩(パク・ヨンマン)会長の言葉は決して大げさな姿勢ではないということを示している。

深センの創業生態系が米シリコンバレーに劣らないほど成熟したのは創業と新産業育成に対する政府の強力な意志が後押ししたためだ。李克強首相は昨年6月の国務院会議で「第4次産業革命時代には既存事業者とスタートアップ間の競争が避けられない。だれが時代の変化と消費者のニーズを充足するかは市場が判断する。公務員が慣行と規定を掲げて既存事業者を保護してはならない」と話した。

韓国政府も22日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領主催で規制革新討論会を開き新産業に対し「「先許容・後規制」方式の規制廃止を約束した。ところが市場は「今回も空念仏に終わるのではないか」と懸念している。李明博(イ・ミョンバク)政権は「電信柱」を、朴槿恵(パク・クネ)政権は「爪の下のとげ」を抜かなければならないと叫んだが、この10年間に規制体感度は改善されなかったというのが現場の冷静な診断だ。古い規制1件を撤廃すれば新たな規制が2~3件ずつできる悪循環ばかり繰り返したためだ。

「何年か前にウィーチャットが初めてできた時も反対する声が高かったが、ひとまず見守った後に規範化することにした。あの時もし昔の方式で規制したとすれば多分現在のウィーチャットはなかっただろう」という李首相の発言は韓国政府当局者が心に刻みつけなければならない問題だ。